サブウーファーに匹敵する迫力が楽しめる
本機の主な機能は映像表示ですが、ヘッドホン機能による音質もなかなかのもの。特に重低音の力強さが印象的で、映画館やホームシアターのサブウーファーに匹敵する迫力が楽しめます。音量が大きくてうるさいのではなく、空気を揺るがすような心地よさが感じられるのです。ちなみに音声にはサラウンドモードが用意され、シネマ、ミュージックなどが選べます。「シネマ」は映画館のような空間の広がりが感じられ、5.1ch/7.1chで収録されているコンテンツの包み込まれるような臨場感で楽しめます。ミュージックは少し広がりがあって、通常のテレビ番組(ステレオ/2ch)も快適に楽しめます。
装着には慣れが必要
頭部に装着するディスプレイ部は約420gと重量があります。ヘッドバンドと額のパッドで支える仕組みで、頭や鼻に掛かる重量感はありませんが、やはり首が前に引っ張られる感は否めません。映画などをじっくりと鑑賞する際は、リクライニングソファで仰向けになるなど、姿勢には慣れや工夫が必要でしょう。また、映像を覗き込むレンズの位置を両目にピッタリ合わせないと、映像がボヤけたり歪んだりします。
普段、近視や乱視でメガネやコンタクトレンズを使用しているユーザーは、それらの使用が必要です。本機は、20m先を見るのと同じ状態に設計されているので、近視のユーザーが裸眼で見ると、映し出される映像も「ピンボケ」になってしまう為です。
筆者の場合、上下のズレと、左右(調整機構内蔵)のズレを調整するのに試行錯誤を繰り返し、最適な映像が得られるまで約1時間かかりました。みなさんが店頭などで試す際はご留意ください。正しく装着しないで「映像が見えづらい」と、本機に悪い印象を思ってしまうかもしれないからです。もちろん、コツが掴めれば、次からは短時間で最適な装着が可能なので、実用上は問題ないはずです。
次のページでは、より楽しむための設定のコツをお教えします。