超高画質な3D映像
本機のポイントは何と言っても高品位な3D映像にあります。現在テレビで主流のアクティブシャッター方式と呼ばれる3D方式は、右目用と左目用の映像を交互に切り換えるために、1秒間に数十回開閉するシャッターを備えたメガネを装着する必要があります。
しかしこのメガネによって、画面が暗く見えたり、クロストークと呼ばれる二重像や、シャッターの開閉によるパタつきが気になるなど、画質面ではいくつかのデメリットが否めません。
一方、本機の場合は、左目用と右目用に二つの映像表示装置があるので、メガネやシャッターによる悪影響がなく、明るくクリアな3D映像を見ることができます。
実際に3Dのブルーレイ映画タイトル『トロン:レガシー』を視聴しましたが、暗い場面でも黒が充分に沈みつつ、潰れることなく階調豊かに再現されるので、テレビやプロジェクターの3D映像では得られない奥行き感や立体感が堪能できました。
メガネ方式で気になりやすいクロストーク(二重像)も、本機では、字幕に注意しても全く気になりません。いま、超高画質の3D映像を最も手軽に手に入れる手段として、HMZ-T1はお薦めできます。
テレビも写真も大迫力&キレイ
3D映像の話題が先行しましたが、本機では2D映像、つまり、普通のテレビや写真も鑑賞できます。さらに、本機に搭載されている映像表示装置は、1280×780画素の有機ELパネルで、漆黒の夜空に開く花火も、黒が浮かずにキラキラとした輝きを表現できる点で、従来の映像装置よりも優れています。ブルーレイによる映画やテレビもハイビジョンの高精細な画質で楽しめます。写真を鑑賞するのも良いでしょう。特にデジタルカメラで撮貯めた画像を見直すと、いままで液晶モニターでは潰れてしまっていた夜景の暗部もしっかりと見え、暗部の色も薄くならずに再現でき、撮影した当時の記憶が鮮明に蘇りました。HMZ-T1を写真用モニターとして活用するのも良いでしょう。ただ、1280×780画素の映像を視野を覆う大きさで見るので、画素のツブツブが見えてしまうのは少々残念です。
ホームシアターと言えば、音が気になるところ。次ページでは、その音について迫ります。