渋谷:駅前の複合商業施設完成目前、
相互直通運転で神奈川と埼玉が結ばれる
渋谷駅ハチ公口から東口方面を望む。中央に見えているのが新しい複合商業施設
東京メトロ副都心線が開業したのは2008年(平成20年)。開業時に
全線レポート記事を掲載しましたが、渋谷~池袋というすでに開発されたエリアを走る沿線でもあり、開業時に大きく変わった場所は多くはありません。しかし、ここへ来て当時の開発計画が実際に見える形になりつつあります。
5階までは商業施設、6~7階に飲食店、10階にホール、11~16階に劇場が入るほか、ギャラリーやオープンオフィスを設けたフロアなども作られる
まずは渋谷。山手線の内側、かつて東急文化会館があった場所に建設中の34階建て複合商業施設のオープンは2012年(平成24年)4月。商業施設や飲食店、ホール、劇場、オフィスが入る予定で、大型商業施設のなかったこのエリアではひときわ目立つ存在。渋谷の人の流れを変えるのではと期待が寄せられています。
右が新しい複合商業施設。現在東横線渋谷駅は写真左側にあるが、それが右側の地下に移動することに
ビルの下では東急東横線渋谷駅の地下化が行われています。同線は渋谷から代官山までの1.4kmが地下化され、さらに副都心線と相互直通運転を開始する予定。これにより、副都心線を介して横浜から池袋、練馬、埼玉方面がダイレクトに結ばれることになります。山手線・埼京線の渋谷~池袋間を経由しなくても良いルートでもあり、両線および新宿駅の混雑も緩和されることでしょう。地下化に伴い、東横線でも10両編成が増え、混雑解消が図られます。
東急東横線沿線では2019年(平成31年)を目標に鉄道・運輸機構が整備・保有するJR東日本の東海道貨物線を利用、日吉と相鉄線を結ぶ計画もあり、今後も変化は続きます。
東新宿:オフィスに700戸を超す住宅、
新しい街がひとつ生まれる
新宿駅西側の西新宿エリアでは多いが、東側ではタワー自体が少なく、目立つ存在。右側の壁面が個性的な建物がオフィス棟
東新宿では広大な空き地だった新宿6丁目が大きく変わります。
開業時の記事でもオフィスビル、賃貸マンションの計画予定をご紹介しましたが、建物はほぼ完成。賃貸マンションでは2012年(平成24年)1月から入居者募集が始まります。
新宿方面から来て敷地内に入ると、静かさ、緑の豊富さに驚かされる。大規模な再開発ならではのメリットだろう
全体が3.7haもある再開発だけに、スーパーや飲食店などの入居も予定されており、街がひとつ新しく誕生するというイメージでしょうか。賃貸棟の1階に交番が入るという珍しい話も聞きました。 地域自体の住みやすさもアップすることでしょう。
新宿三丁目、伊勢丹の脇から東新宿方面を望む。中央に見えているのが東新宿の再開発エリアの2棟
このエリアは副都心線・都営大江戸線の東新宿と新宿線、丸ノ内線新宿三丁目駅の両駅が使える便利な場所ですが、歌舞伎町とは明治通りを隔てており、新宿の喧騒とは一線を画すといったところ。東側、北側には大学や病院、公園の緑などもあり、従来の新宿のイメージとは異なる街になりそう。現状は古い、小規模なビルも多い地域ですが、明治通りに近い場所などでは建替えの気運もあるようで、この開発が起爆剤になることが期待されます。
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副都心線東池袋~池袋駅周辺の変化とご紹介します。