国内唯一の縁起の良い名前、浦賀・叶神社
今回の行き先は【神奈川】
国内唯一の縁起の良い名前、浦賀・叶神社
学問の神様で知られる菅原道真公を祀る寺社に「天満宮」という名前が付くことが多いように、寺社を構えている土地は違えども、同じ神様を祀る場合、寺社の名前を同じにすることも良くありますね。
そんな中で、国内で唯一、それも寺社に参詣する人にはとても縁起が良い言葉を名前につけた寺社が三浦半島にあるのをご存じでしょうか。
その寺社の名前は「叶神社(かのうじんじゃ)」。願いを「叶」える……というこの字を名前に持つ神社なのです。
今回は、この縁起の良い名前を持つ叶神社をご紹介します。あわせて参詣の際に便利に活用できる、港を横断する歴史ある渡船についてもご紹介しますよ。
源氏再興を願って建立された叶神社
叶神社は、三浦半島の東側、横須賀市浦賀(Yahoo! 地図情報)にある神社です。浦賀と聞いて、江戸時代末期に江戸幕府へ開国を迫るため黒船で来航したアメリカ・ペリー提督をイメージされる方も多いと思いますが、叶神社の歴史は黒船来航よりも遙か昔にさかのぼります。叶神社の建立は、まもなく鎌倉時代に変わろうとする平安時代末期のこと。京都・高雄山神護寺の僧侶である文覚上人が源氏の再興を願って、第15代天皇である応神天皇をご祭神として建立しました。建立後、数年のうちに平家が滅亡し、源頼朝による鎌倉幕府の設立……と源氏の再興が見事叶ったことから、「叶大明神」と呼ばれるようになりました。
ちなみに「叶神社」という神社は、日本国内ではただ一つ浦賀にしかありません。願いを叶える…という名前は参詣客に取ってまさに縁起の良い名前ですね。
浦賀港をはさんで対岸に位置する2つの叶神社
では、叶神社へお詣りしましょう。叶神社は、東叶神社と西叶神社の2つの社から成り立ちます。浦賀港をはさんで東岸に東叶神社、西岸に西叶神社があり、両方をお詣りします。
今回は東叶神社からご紹介していきますが、もちろん西叶神社から参詣しても構いません。
京急電鉄 浦賀駅より、観音崎行きの京急バスに乗車し、2つ目の新町バス停で下車。住宅が建ち並ぶ中を海沿いに10分ほど歩くと東叶神社(Yahoo! 地図情報)に到着します。
港に面した石の鳥居をくぐって石段を登り、拝殿にお詣りしてから後ろを振り返ると、浦賀港の海の向こうには西叶神社のある西岸を望むことができます。
参詣後は、東叶神社の社務所に立ち寄りましょう。ここには親指大の大きさの可愛らしいお守り袋が並びます。
実は叶神社は縁結びの神様としても知られていて、東西の叶神社を巡ることで様々な御利益を得られるとのこと。2種類の色があるお守り袋を選んで買い求めた後は、早速西叶神社へ向かいましょう。
続いては、西叶神社への移動になりますが、長い歴史を持つ素敵な乗り物が参詣をサポートしてくれますよ。次ページに続きます。