2012年は投資家のとって、どんな年になるのでしょうか?
時間のかかる欧州問題の決着
欧州の債務危機はかんたんに決着する問題ではありません。ユーロ17カ国の国内機関との擦り合わせの上で、全体が少しずつ解消されていく問題ですので、時間はかかります。2012年中に落ち着くか、2013年までかかるのか、という専門家の予測がほとんどです。つまり、出口のない迷路にいるわけではないし、解決されるのは時間の問題だともいえます。そして危機が解消されたとき、そこにはより強くなったユーロが存在しているはずです。試練を乗り越えた、統合された国家連合体の再生です。私は長期投資家として、むしろ「危機後」に期待しています。
2012年は選挙イヤー
欧州の危機解消に懸念されているのは、欧州の政治家たちのリーダーシップです。そして、2012年はフランスのサルコジ大統領が選挙の洗礼を浴びる年です。選挙結果はユーロ問題に影響を与えます。ロシアの大統領選挙でも今回ばかりは波乱がありえます。選挙と言えば、2012年はアメリカ大統領選挙の年でもあります。オバマが再選されるためには、相当な経済の回復が必要だと言われています。米国大統領選挙の年は株高の年だというジンクスは今も生きているのか、注目されています。
それぞれの問題を抱える先進国で多くの大選挙が行われる2012年。政治が期待される年ですし、選挙結果が時代の転換点となるのかもしれません。
新興国に懸念されるインフレリスク
欧米がぬかるんだ道を歩んでいるのに対して、新興国の堅調さが世界経済の救いとなっています。ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICsに加えて、ヴェトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの頭文字を取ったVISTAなど、新興国の経済は堅調です。一部には中国のバブル崩壊を予測する人もいましたが、中国の経済政策は案外とうまく機能しています。「中国バブル崩壊=(リーマン、欧州債務に次ぐ)第三の経済危機」を警鐘を鳴らす悲観論者は狼少年になるかもしれません。
新興国が自国のインフレ・リスクに対して、きちんと対処できれば、新興国が引っ張る経済回復のシナリオに世界の期待がかかります。
日本のアキレス腱を狙う投機マネー >>>>>