3)給料日直後に「取り分け」ておく
最初の(1)と(2)は発想の転換について述べましたので、ここからはテクニックを述べてみます。何度も書いていますが、お金を貯める極意は「根性」でも「努力」でも「真面目」でもありません。「仕掛け」です。精神力をもって、お金を節約して暮らし、お金が貯められる人は、このコラムを読まなくても貯められます。問題はそういう生活ができない人です。今から精神修養を行うのはおそらく難しいと思います。
お金を貯めるとき一番苦しいやりかたは、月末まで銀行口座にお金を残しておき、給料日前日の残高を貯蓄額とする方法です。これはダメです。私もうまくいったことがありません。使いたくなってしまうからです。
一番いい方法は、貯めたい金額を先に隠してしまう方法です。給料日が25日なら26日に、月末なら翌月の1日に、先に貯金額を引いて残りで暮らすのです。
「給料日前に節約生活して貯めたい額(例:2万円)残す」→「貯める」と
「給料日直後に貯めたい額(例:2万円)を先に残す」→「残りで生活する」
は同じことですが、後者が確実になります。合理的ではありませんが、なぜかうまくいきます。
先送りするより、先取りです。まずはだまされたと思ってやってみてください。
4)自分で資金移動せず自動化する
お金を先に貯めるとしても、手続きを自分でATMで操作をして「貯める額をおろす」→「別の銀行で入金」と作業するだけで、苦しい気分になります。例えば2万円を手にして数分でも持ち歩けば「ああ、これ今すぐ使えないお金なんだなあ」という気持ちになることでしょう。感情を否定する必要はありません。むしろそうした感情が起こらない方法を選べばいいのです。
銀行では積立預金、積立投資信託という仕組みがあります。これらは指定した日に指定した金額を自動的に引き落として振り替えてくれるサービスです。これなら、気がついたときには残高がすっと減っているので、確実にお金を貯められます。
会社で財形年金等の福利厚生があれば、これを利用するのも方法です。こちらは給与振込の時点ですでに引かれているので、確実さがさらに増します。
私も、「毎月A銀行からB銀行へ2万円移す!」と決めても続きませんでしたが、「毎月C投資信託を自動的に2万円購入」としたことで確実に年間24万円貯まる体制が確立しました。
サボってしまうことを反省する必要はありません。反省するくらいなら、その時間で、さっと事務手続きをしてしまいましょう。そうすれば来月からは自動化されます。
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「貯められる人になる」ためのヒントを、心構えの発想転換を2つ、具体的な手続きのテクニックを2つ、紹介しました。
読んでいて、「そんな簡単な話でできるなら苦労しないよ」と思った人はぜひ、実行してみてください。だって、そんな簡単な話ですから、あなたにも実行できるはずです。
それでお金が貯められるようになれば、それこそ儲けものです。
年末は反省することが多い時期です。「ああ、今年も貯められなかったなあ」と思う人はぜひ、来年からは貯められる人になってみませんか!