資産運用は毎日株価とにらめっこするという「誤解」
資産運用、というと「えー、毎日株価チェックしなくちゃいけないんでしょ?」と言われることがあります。たぶん、毎日チカチカと点滅する電光掲示板とにらめっこして(今では証券会社に行かずとも自宅のPCで同じ情報が見られる)、カチカチとマウスを何度もクリックして、売ったり買ったりするイメージなのでしょう。
あるいは、数時間ほったらかしにすると、一気に資産が半減するようなイメージがあるのではないでしょうか。円高が一気に進んだり、企業の評価ががくんと下がると自分の財産も一気にすり減らしてしまうようなイメージです。
しかし、それは資産運用のひとつの側面に過ぎません。逆にいえば「数時間や一日程度のタイムラグで資産の多くを失うような運用方法を選んでいる」から毎日株価をチェックしなければいけなくなるわけです。
マネーハック的に考えてみれば、発想を逆転してみたいところです。つまり「毎日株価を見なくても投資を続けられるような運用方法を選べばいい」と考えてみるわけです。
私たちは「投資は毎日株価を見る」と思い込んでいます。本を読んでも「毎日株価を見るべき」と理想が書いてあるのでそうなのかなと思ってしまいます。しかし、世の中は何でも理想的に動いているわけではありません。つまり、毎日株価を見なくてもいい運用方法があれば、そうした方法を実行してみればいいのです。
発想の逆転で便利に賢く運用をする、つまりマネーハックです。
投資信託で運用するだけで、毎日株価を見ずにすむ
一般の個人が普通に投資を行うのであれば、個別銘柄での株式投資より投資信託やETFでの資産運用をおすすめします。投資信託(ETF)は、一人一人の小口の投資資金を集め、投信会社が運用をまとめて行ってくれるものです。私たちが個別の企業の評価をしたり適切な売買タイミングを見極めて実行するのは大変です。
まず情報収集の負担がかかります。どの企業が割安であるか、どの企業が将来有望であるか等の情報を収集して分析しなければなりません。その分析能力が他人より高い自身があれば個別株式の投資もアリですが、専門の仕事として時間をかけている金融機関の人より自分が勝てると考えるのは、冷静に考えても自信過剰というものです。
最近の例で言えばオリンパスなどは個人投資家が事前に情報を察知することはほとんど不可能でした。
また時間的制約もあります。情報の収集や分析に時間がかかることは毎日の負担が大きくなり、仕事やプライベートに影響を与えます。例えば毎日1時間情報の収集に使えば、何か1時間削らなければなりません。子どもと話す時間やドラマを見る時間を常に毎日1時間削るということです。毎日2時間を超えればもはや現実的な負担とはいえません。
投資信託はそうした負担軽減に大きな役割を果たします。例えば、ある業種や地域が有望だと考えるが個別企業のチェックはできないのであれば、当該対象で運用する投資信託を買えばいいのです。毎日情報をチェックする時間は軽減され、判断もアウトソースすることができます。
「投資はしたい、でも毎日チェックは無理!」という人は、個別銘柄ではなく、投資信託を活用するだけで、「毎日チェックはできないかもしれないけれど、投資できる」という状態が作り出せるのです。
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