高金利の豪ドルが候補。円安への転換も狙う
資産の収益性アップを図るならぜひ取り入れたいのが外貨投資です。外貨MMFは外貨建ての投資信託の一種で、各通貨の公社債などで運用されているため、外貨ベースでの安全性は比較的高い商品です。ただし元本保証ではないため、外貨預金よりも高めの利回りに設定されています。外貨投資で収益を得るには、円高で始めて円安になったら売る為替差益(キャピタルゲイン)と、日本にはない高い金利で利息を得る(インカムゲイン)方法の2つがあります。
今はどの通貨も円高に推移しているので、中長期で外貨投資を始めるにはいいタイミングといえるでしょう。とはいうものの、急激にさらなる円高に振れることもあり得ます。こうした不測の事態に備えるためにも、預けた翌日から解約できる流動性の高い外貨MMFがオススメなのです。
「今なら、経済が安定していて高金利の豪ドルは、資源価格が上がれば通貨価値も上がるため、イチオシ通貨といえるでしょう。一方で米ドルやユーロなどのメジャー通貨と比べて価格の変動が大きくなりがちですが、値動きをする商品こそ積立投資向き。積立購入も検討してみるといいでしょう」(藤川さん)。
利回りとコストを勘案して検討を
外貨MMFを積立で購入すれば、時間分散の効果を発揮して着実に資産を増やせる可能性があります。なお豪ドルMMFの積立ができる証券会社は以下のとおりです。野村証券とマネックス証券は月1万円から、SMBC日興証券とカブドットコム証券は、ほかの投資信託と合計して月1万円以上の申し込みが必要です。為替手数料でいえばカブドットコム証券がもっとも低コストになっています。
予算のほか、為替手数料と金利を比較したり、ほかに買いたい商品があるかなどで証券会社を選ぶとといいでしょう。
次のページは、経済不安や急激な円高の対策に「金ETF」です。
取材・文/滝田知歩 監修/藤川太(ファイナンシャル・プランナー)