文化センター、公園に昔ながらの商店街の残る、
北口側にもいよいよ変化?
練馬駅北口にある練馬文化センター。駅との間には緑地があり、家族連れの姿も
続いては駅の北口側を見てみましょう。ここは大正時代以降大きな紡績工場がありましたが、その跡地を利用して1983年(昭和58年)に練馬文化センターがオープン、以降、平成つつじ園、地下駐車場などが整備され、南口のちょっと猥雑な雰囲気からは一転、青空の広がる開放的な空間になっています。文化センターには大小のホールがあり、音響の良さが評判だそうです。
駅北口脇から伸びる銀座通り商店街。南口側に負けじと整備計画、商店街活性化の動きもある
また、文化センターの東側には弁天通り、銀座通りなどの歴史を感じさせる商店街があり、中には銭湯やレトロな喫茶店、履物屋さんなどもあります。高層の建物も増えてきた南口に比べると、北口側は高くても4~5階くらいまでの建物が多く、のんびりした雰囲気が残ります。
今後、大きく変わりそうな駅北口の区有地の現況(2011年10月現在)。駅に接した土地であることが分かる
が、そんな北口側にも変化が起こり始めています。北口はバスロータリーと駅の間に4000平米もの区有地があり、ながらく他施設移転、補修時などの代替地や駐車場などと暫定的に使われてきたのですが、ここを定期借地により有効活用する計画が具体化されてきたのです。2011年3月に発表された計画によると、1~2階には商業施設、3~4階には区民交流ホールや子ども家庭支援センター、保育施設、5~8階にはリハビリ病院、メディカルフィットネスなどが入ったビルが建つことになるのだとか。3年後の平成26年4月には施設がオープン予定となっています。
緑濃い、昭和の住宅街も残る豊島園、
遊園地を防災公園にという計画も浮上
現在、としまえんがある場所には練馬城があったそうで、中央には石神井川が流れている
一駅離れますが、お隣豊島園駅も紹介しておきましょう。ここはご存じ、都内でも古参の遊園地「としまえん」で知られ、私も子どもの頃にはここの流れるプールや日本最古の遊戯機械といわれる回転木馬「カルーセルエルドラド」でよく遊んだものです。近年は遊園地に隣接して温泉施設や9つのスクリーンを持つシネコンもでき、休日にはファミリーで賑わっています。
としまえんの南側に広がる城南住宅エリア。きれいに手入れされた生垣、桜が印象的
駅周辺には古いマンションが多い豊島園ですが、住宅という意味で取り上げておきたいのは豊島園駅の西側にある向山(こうやま)エリアです。ここは大正末から昭和初期にかけて城南住宅組合が土地を借り、区画を整備して作られた住宅地で、1978年(昭和53年)に区の「みどりの保全モデル地区」第一号にも指定された生垣、植栽の美しい街です。大正、昭和に計画的に作られ、分譲された住宅街の多くはその後の相続などで徐々に変化しつつありますが、その中にあってこの地域は当初の面影を保ち続けています。桜の古木なども多く、時間をかけて作られてきた住宅街の良さを感じさせてくれる街のひとつです。
西武豊島線の豊島園駅前。左側にとしまえん、写真右手に駅がある
この街ではもうひとつ、東京都が「都市計画公園・緑地の整備方針」の改訂で、都がとしまえんを買い上げ、防災拠点として公園化するという計画を出したのが話題になっています。2011年10月に意見公募手続きが行われ、確かに改定案には「練馬城址公園」としてとしまえんの地図が掲出されていました。意見公募を受け、実際の方針が出るのは12月下旬予定と少し先になりますが、動向が気になります。
最後に西武池袋線
練馬駅周辺の住宅事情を見て行きましょう。