BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

“楽しいダウンサイジング先”1シリーズはキチンとBMW

初心者や入門者向きなイメージの強いコンパクトハッチ。事実、旧型購入者の約7割が他ブランドからの乗り換えだった。けれども1シリーズこそBMWの凄みが隠されている。2世代目はシャシー性能が大幅に向上、環境性能も高まり、さらに注目のモデルだ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

シャシー性能が大幅に進化した2世代目

BMW1シリーズ

2011年に開催されたフランクフルトショーでお披露目された2代目。プレミアムコンパクトで唯一のFR(後輪駆動)を採用する。ボディサイズは全長4335mm×全幅1765mm×全幅1440mm。旧型より全長95mm、全幅15mm、全高40mm大きくなった。価格は116iが308万円、116iのスポーツとスタイルが318万円、120iが367万円、120iのスポーツとスタイルが387万円


BMW1シリーズ

ベーシックモデルに加え、スポーツとスタイルと呼ばれるデザインラインを用意。スポーツはハイグロスブラックをアクセントに使用、キドニーグリルには専用のワイドバーを用いた。スタイルはホワイトをアクセントに仕立てられている

BMWは本当に多くの人が憧れるブランドだ。だから、それほど詳しくなくても、欲しいという人が大勢いる。そして、そういう人でも、BMWのモデルラインナップが基本数字で表されていて、数字が大きくなるほど性能やグレード、ランク、ステータスが上がるということぐらいは、何となく理解されていることだろう。

 
1シリーズは、1というのだから、BMWラインナップのスタート地点である、と理解されて当然だ。それゆえ、初心者や入門者向きというイメージが強くなる。あえて、それは否定しない。事実、初代モデルの購入者のうち、なんと7割がよそのブランドからの乗り換えだった。

けれども実は、1シリーズにこそBMWの凄みが隠されていたりする。いったい、それは何か……。

BMW1シリーズ

エコ・プロモードも設定したドライビング・パフォーマンス・コントロールを標準装備。エンジンやシフトタイミングの最適化に加え、エアコンの作動などまで効率的に制御してくれる。ブレーキエネルギー回生システムやアイドリングストップ機構なども備え、10・15モード燃費は116iが17.6km/l、120iが17.2km/l

1シリーズが属するのは、VWゴルフが幅を利かせるコンパクトハッチバックのカテゴリーだ。ほかのすべてのモデルが室内空間の確保と生産性を考え、前輪駆動(FF)方式を採っている。

 
ところが1シリーズだけは、上級モデルと同様に後輪駆動(FR)を採用した。もちろん、既存の車台を有効活用したいという理由もあったが、それにも増して、BMWはBMWらしく走らなければならない、というプライドが貴重なFRコンパクトを生み出した。入門モデルであっても手を抜くことなく“駆けぬける歓び”を実践することによって、BMWというブランドは唯一無二のものとなり、だからこそ多くの人が憧れる輸入車ブランドとなった。

1シリーズは、BMWワールドを知るための入門用としてはもちろんのこと、BMW経験者やクルマ運転好きが乗っても十分に納得できる仕上がりになっている。

BMW1シリーズ

高精度直噴システムやバルブトロニック、ツインスクロールターボなどを備えた、1.6リッターターボを搭載。116iは最高出力136ps/最大トルク220Nm、120iは最高出力170ps/最大トルク250Nmと出力が異なる。効率の良い8ATをセグメント初採用

特に、2世代目になって、シャシー性能が大幅に進化し、環境性能も高まった。直噴エンジンや8速AT、エコドライブサポートなど、メカニズム的な注目点も多い。

上級車からの、“楽しいダウンサイジング先”としても、有効な選択肢である。

 
【関連サイト】
BMW Japan

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