年金支給開始年齢が68歳になるって本当?
年金の支給開始年齢が68歳になる?……1P目
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年金支給開始年齢が68歳になる?
「年金の支給開始年齢が68歳になる」というニュースが注目されています。私たちの老後の生活に大きな影響を及ぼす内容なので、決して他人事ではいられません。そもそも事の発端は、民主党の社会保障改革検討本部が決定した、「社会保障・税一体改革成案」を受けて、厚生労働省が、厚生年金の支給開始年齢を68歳まで引き上げる案を、社会保障審議会年金部会に提示したことによるものです。社会保障審議会は、厚生労働大臣の諮問機関で、社会保障制度全般に関する基本事項や、各種の社会保障制度のあり方について審議・調査し、意見を答申するため、今後の制度改革に大きな影響力を持つ機関です。そうは言っても、具体的な検討段階に入ったということで、年金の支給開始年齢が68歳になる、と正式に決まったわけではないので、注意が必要です。
サラリーマンなどが加入する厚生年金の支給開始年齢は、現在、段階的に引き上げられ、昭和36年4月2日以降生まれの男性の場合(女性は、昭和41年4月2日以降生まれ)、老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに65歳になっています。それが、今回の改革案では、さらに68歳まで引き上げるというのです。
支給開始年齢引き上げの背景には、少子高齢化の進行にともなう、年金受給者の増加と、その支え手となる若年者人口の減少によって、急激に年金財政が悪化していることが挙げられます。数年前までは、60歳定年が一般的だったことを考えると、「68歳まで働かなくてはならない世の中になるなんて……、そんなに日本の年金って危ないの?」といった疑問が沸きます。
日本の支給開始年齢は、諸外国に比べて低い
年金の支給開始年齢を、65歳からさらに引き上げなくてはならないのは、日本だけのことなのでしょうか? 諸外国の年金制度の支給開始年齢を平均寿命とともに見てみましょう。日本人の平均寿命は、男女ともに比較した諸外国の中で最も高く、その一方で年金の支給開始年齢を見ると、諸外国に比べてそれほど高いわけではありません。フランスやスウェーデンを除く各国では、65歳からさらに67歳、68歳へと引き上げることが決まっています。諸外国の年金事情と比較してみると、世界に類をみない長寿国である日本において、年金支給開始年齢が引き上げられるのはやむを得ないことなのかもしれません。
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