対処法1:いずれの商品でも可能な3つの方法
損失を抱えてしまった場合、これらの商品に共通してできる対処法としては、「損切り」「ナンピン」「塩漬け」の3つがあります。どう対処うるの、後悔しない方法を考えることが大切です。
・潔いなら損切り
損切りとは、損失が出たらすぐに見切りをつけて、保有商品を売ってしまう取引のことです。ロスカットとも言います。外貨預金や外貨MMF、投資信託のいずれであっても、「購入価格よりいくら(5~10%等)下がったら売り」と言う風に、損切りのルールを決めておき、ルールに必ず従うようにしましょう。ちなみに、損切りの目安は、自分がどれだけ損失を許容できるかで数値を決めればよいでしょう。
・資金に余裕があるならナンピン
もし投資する資金に余裕があるのであれば、損失を少なく抑えるために、ナンピンを行うことができます。ナンピンとは、購入時の価格よりも価格が下がった時に、同じ商品をさらに買い増すことで、購入時の平均単価を下げる取引方法のことです。平均単価を下げることで、価格が上昇した時に売りやすくできます。
ただし、ナンピンの場合は、価格がいつ底を打って上昇するのかはわかりませんし、ナンピンした後にますます下落して、さらなる損失拡大につながる恐れもありますので、慎重さが大切です。
・踏ん切りがつかないなら塩漬け
ナンピンしようにも資金裕がなく、損切りもできない場合は、塩漬けという方法しかありません。塩漬けとは、損切りできず、売るに売れない状態にまで追い込まれ、結果として損失を抱えたまま商品を保有することです。
塩漬けは正直、資金を眠らせてしまうため、投資効率という観点からは避けた方が良いでしょう。以後塩漬けを作らないための戒めにして下さい。
対処法2:外貨預金に可能な方法
外貨預金は一般的に、外貨MMFよりも運用利回りは劣ります。さらに売買手数料も割高です。金融機関が外貨預金と外貨MMFを取り扱っているのであれば、保有している外貨預金を外貨のまま外貨MMFに乗り換えるという方法が考えられます。たとえばソニー銀行の場合、ユーロ建て1ヵ月物外貨預金の金利は年0.20200%ですが、ユーロ建て外貨MMFは年0.615%です。購入した為替レートにもよりますが、時間をかければ損失分を補うことが可能になるかもしれません。
また、金融機関で外貨MMFを取り扱っていないのであれば、外貨のまま他の金融機関に送金し、そこで外貨MMFに預けるという方法も考えられます。この場合、金融機関によっては、他の金融機関に送金する際と受け取る際に手数料(各数千円程度)がかかります。コストの発生に抵抗がないのであれば、検討してみても損はないでしょう。
対処法3:投資信託に可能な方法
投資信託の場合には「スイッチング」という方法も考えられます。スイッチングとは、保有している投資信託を売却して他の投資信託に乗り換えることを言います。スイッチングを行うことで損失は確定してしまいますが、有望な投資信託にうまく乗り換えることができれば、時には損失分を補うことも可能になります。ただし、スイッチングできる投資信託が必ずあるわけではありませんし、スイッチングを行う際に手数料が発生する場合もあります。スイッチングできる投資信託の中に有望な投資信託があるのであれば、検討してみても損はないでしょう。
ちなみに……
この他には為替変動の影響を受ける商品としてFX(外国為替証拠金取引)があります。FXの場合には、大きく為替が変動した場合等にロスカット(損切り)が自動的に行われますので、すでに問題が解決してしまっている投資家がほとんでしょう。ロスカットによって損失は確定してしまいますが、1ユーロ100円台の水準にまで円高ユーロ安が進行する現状、損失の拡大を最小限に抑えられたと考えることができます。ハイリスク商品であるほど、ロスカットのありがたさを実感できるかもしれませんね。