由来はよくわからない「曙橋」
神田川の両岸にあった遊歩道は、明治通りで途絶える。いったん新目白通りに出て、再び神田川へ出ると両岸側が遊歩道になっている。この遊歩道は桜の名所としても知られている。桜といえば春のイメージ、そして「春は曙」ということで、曙橋なのだろうか。よくわからない。桜の木は夏には葉を茂らせて散歩者の日よけになる。冬には葉が散り、散歩者に日を当ててくれるありがたい木だ。桜は、明治通りから江戸川橋までずっと続いている。ちなみに欄干が緑色の橋がこれから続く。
ロマンチックな名前の「面影橋」
都電荒川線の停留所の名前にもなっている「面影橋」。なんともロマンチックな名前だろう。若い人にはまったくわからないだろうけれど、昔、及川恒平というフォークソングの歌手が『面影橋から』という曲を歌っていた。よくラジオから聞いたものだ。その橋のモデルがここなのかとしみじみと渡ったのは、東京に出てきてからすぐだった。
当時のフォークソングは東京の地名がよく使われていた。この「神田川」も、かぐや姫というフォークグループがそのものズバリのタイトルでヒットさせている。そうそう、さだまさしの「檸檬」という歌には、神田川のさらに下流、お茶の水駅近くにある聖橋が出てくる。そんなことを考えながら、さらに神田川を下流へ向かった。