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エイサーの楽しみ方(2ページ目)

近年ますます拍車をかけて盛り上がる沖縄の伝統芸能エイサー。空高くこだまする太鼓の音と一糸乱れぬダイナミックな演舞は、壮観でありながらどこかエキゾチックでないちゃーの心を魅了します。沖縄の若者たちが琉球衣装に身を包んだ姿はなんとも精悍で、エイサーを踊るその力強い美しさに思わず心が揺れる女子も少なくありません! そんな老若男女に人気のエイサーの魅力についてお話します。

小林 繭

執筆者:小林 繭

沖縄ガイド

地域色豊かなエイサーの魅力

園田

人気の園田青年会によるエイサー演舞の様子。夜のエイサー見物は気分もさらに盛り上がります。 写真提供:沖縄市観光協会

ひとくちにエイサーと言っても、その型は様々です。基本的に、エイサーは各村の青年会によって行われるもの。それぞれのエイサー演舞を競いあうコンクールが開催されたことから、各地域がより地域の独自性を追求したスタイルとなったのではないでしょうか(スタイルも趣向も違うエイサーをコンクール形式で競うのはおかしいということで、現在はエイサー祭りという形で開催されています)。

もともとエイサーは手踊りだけの形式だったのですが、戦後、沖縄市の若者たちが派手な太鼓を打ち鳴らして練り歩く道ジュネースタイルを確立し、それが各地域によってそれぞれに特色のある発展を遂げ現在のエイサーの形となっています。

地方(じかた)の唄・三線に合わせ、大太鼓、締太鼓、男女の手踊りが一糸乱れぬ動きで繰り広げるパフォーマンス。先頭を行くのは青年会の旗を翻す旗頭。そして道化役的なサナジャー(チョンダラー)というのが基本の隊列の構成。各青年会の趣向を凝らした鮮やかな衣装や旗も見物ですし、観客を誘導したり隊列を整えたりしながら一団をまとめるサナジャーの動き、それぞれに異なった編成やバチさばき、足さばきなど見れば見るほど細かい部分に至るまでエイサーの魅力を発見するでしょう。迫力ある全体的な演舞はもちろんのこと、各部隊のディティールまで大変によくできていて、本当に見飽きることがないのです。

近年は壮観な太鼓エイサーを主軸に見せるエイサーが主流となっています。が、その一方、本島北部では今でも古くからの伝統的なエイサー(手踊りのみによるエイサー)が受け継がれているのも興味深いところ。また地域の青年会によるエイサーではなくエンターテイメントとして、太鼓と沖縄ポップスを組み合わせた創作エイサーの活動も人気で、沖縄を問わず全国で活動が広がっています。
諸見里

大太鼓の使い方が印象的な沖縄市の諸見里青年会の演舞。黒と赤を基調とした衣装もメリハリがあってきまっています。 写真提供:沖縄市観光協会



沖縄本島の中でも特にエイサーがさかんなのが沖縄中部。沖縄市やうるま市、北谷町、コザなどが有名です。また最近では南部にもエイサー人気が広がりずいぶんと盛り上がりを見せているようです。南部のエイサーといえば糸満市喜屋武が特に有名。昔ながらの伝統を受け継いだ芸術的なエイサー、エネルギッシュかつ豪快な大太鼓のパフォーマンスで魅せるエイサー、空手の型を演舞に取り入れた男エイサー、パーランクー(片面太鼓)をメインに使ったパーランクーエイサーなど各青年会による迫力ある演舞はそれぞれに素晴らしく、圧巻というか壮観というか、とにかく観客は言葉も忘れて魅入ってしまうのです。エイサーは、時に凛々しく時に優美に漲る沖縄の美とエネルギーの表現。見てるうちに、演じる者も見る者も一団となって興奮の渦を描いていくのがわかります。

参考までに有名な青年会をいくつかあげると、沖縄市の園田エイサー、嘉手納市の千原エイサー、うるま市与那城の屋慶名エイサー、うるま市勝連の平敷屋、平安名エイサーなど。お盆の時期に沖縄を訪れるのなら、ぜひ道ジュネー体験を。場所を変えていくつものチームの演舞を見比べるのも面白いですよ!

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