男の子育て/イクメン・父親の育児

イクメンの意外な落とし穴(3ページ目)

イクメンという言葉の好き嫌いはあれど、一般に、男性が育児に積極的になることは大歓迎というムードがあるじゃないですか。しかし、本当に夫がイクメン化することはママにとっていいことばかりなのでしょうか。ママたちが見落としがちな、イクメンの意外な落とし穴があるんです。

執筆者:おおた としまさ

イクメンの究極のメリットとは

赤ちゃんと夫婦

葛藤を乗り越えるごとに家族の絆は強くなる

「皮肉な葛藤」とはいいましたが、それって決して悪いことばかりではありません。子育てについて、細かい部分で意見が食い違うことがあったとしても、「子どものために」という思いは一緒です。

「飲みに行って帰りが遅い」だの、「浮気をした」だのという話しでケンカをするのとはわけが違うのですから、決して無駄なエネルギーを使うわけではありません。葛藤も乗り越えれば家族の絆を深める糧になります。

ときにケンカもしながらも、お互いの考えを話し合い、違いを認め合い、思いを少しずつ共有することで、人間関係は進化します。夫婦関係や家族関係も同じです。パパとママのそんなやりとりを見て、子どもは「人はぞれぞれ違う考えを持っていていいんだ。人は違いを認め合い、尊重することだってできるんだ」ということを学ぶはずです。

ものすごい勢いで夫婦喧嘩した翌日になんだかいつもよりもラブラブしているパパとママを見て、「人間って、ケンカしても仲直りできるんだ、愛し合うってこういうことなんだ」ってことを子どもながらにじんわり感じることができると思います。パパとママ以外に、誰が子どもに「本気のケンカから相互理解へのプロセス」や「ケンカをしてでも愛し合う男女の姿」を見せることができるでしょうか。

パパとママのとっても人間くさい関係を目の当たりにしてきた子どもたちは、将来、友人とちょっとケンカをしたからって簡単に絶交しちゃうような若者にはならないと思います。会社の上司にちょっと怒られたからって出社拒否になったりしないと思います。

「人を愛し、信頼し、思い切りぶつかることもできる」。人生において、これ以上の「財産」ってないのではないかと個人的には思います。私はこれこそが、パパがママに子育てを任せきりにしないこと、つまり「一家に1人イクメンがいること」の究極のメリットだと思います。


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