なぜ隠れた名作が3位に?
隠れた名作が3位になったのは選出方法によります。選者が20人いて、それぞれ選んだベスト10を1位10点、2位9点……と集計しています。20人と少人数で、しかもドラマをよく見ている選者が多いため全体にエッジのたった結果になりました。
ちなみに『週刊文春』でもお盆の合併号で「私たちが夢中になった名作テレビドラマ30」という企画がありました。こちらの選出方法は世代をばらけさせた読者2000人にそれぞれ三作選ぶというもの。この結果、1位が『てなもんや三度笠』、以下『JIN-仁-』『時間ですよ』『東京ラブストーリー』『太陽にほえろ!』の順。6位以下でも7位『相棒』、8位『古畑任三郎』、9位『踊る大捜査線』と刑事ドラマが中心になるなど、傾向がぜんぜん違います。
あの大ヒットドラマが選ばれてない
ただ20人×10作品、重複もあるので選択されたのは百数十作。名作ドラマをすべてあげるには足りないため、ベスト100にかなり重要なドラマが選ばれていないという問題もあります。たとえばテレビドラマ歴代視聴率ナンバーワンの『おしん』がありません。順位を見ても有意なのはだいたい30位までだと思います。
ananなら違う
それとこの選出の傾向として、90年代作品が少なすぎます。ベストテン内は5位の『東京ラブストーリー』のみ。たまたま29位の『29歳のクリスマス』、30位の『愛していると言ってくれ』ももうちょっと上にあってほしいところ。これは選者の年齢が原因でしょう。平均年齢を計算すると、年齢が確認できない方もいるので正確にはいえませんが、たぶん50代半ばです。
選者一覧
しかし『週刊現代』の読者層を考えると、これでいいんでしょう。同じ企画を『anan』がすると、まったく選ぶドラマが違って90年代の恋愛ドラマが中心になると思います。
ディケイドベスト
そんなことを考えると、お祭り的にオールタイムベストを選ぶのも楽しいんですが、70年代、80年代、90年代……と10年単位で区切ったベスト選びが実質的なところかもしれません。10年ごとぐらいにドラマの傾向も変わってきますし。10年単位で選ぶときには下の本が便利です。80年代、90年代と出版されて、次は00年代の登場が待たれるところです。