知人の紹介で耐震リフォーム検討開始
古い住宅ほど「耐震補強金具」を必要とする箇所は多いのですが、でもこれだけで耐震リフォームが完了する訳ではありません。
きっかけは知人がリフォームをしたからでした。総額25万円程度だったということを聞いて、もっと掛かると思い込んでいたBさんは「それならウチも」と業者を紹介してもらい「耐震リフォーム」を検討するに至ったのです。
何日かして業者が訪ねてきました。業者と話しているうちに知人のケースとは大きく異なることがわかりました。知人の家はもともと現行の耐震基準を満たしていたのですが、部分的に弱いところを補強したというのです。
一方Bさんの住まいは現行の耐震基準を満たしておらず、知人の家よりも大規模な工事になるとのことでした。まだまだこの家に住むつもりのBさんは、必要最低限度の耐震工事の見積りを頼むことにしたのてす。
耐震工事スタート!でもよく考えてみれば‥
契約したリフォーム工事は約130万円。想定外の金額でしたが、Bさんは家族と相談し工事を決めました。工事が始まり内壁を剥がして補強後、再度内壁を張り直していく様子をみて、こんなに壁を直すならいっそのこと以前から気になっていた間取りも直すべきだったことに気がつきました。業者に相談してみると、今から変更できないことはないが、すでに工事が終わっている箇所があり、間取りを変更するなら再度解体することになり余計な費用が掛かるとのこと。愕然とするBさんは、結局そのまま変更することなく、当初の予定通りリフォームを終えました。
リフォーム工事が終わり、耐震性能は確かに向上したのですが、Bさんは思い早まってしまったという後悔の念の方が強く、間取り変更のプランは今後検討することはだいぶ先になりそうだ、と話してくれました。
耐震補強だけに捉われず長期的視野を持って
Aさん、Bさん共に耐震補強がきっかけでリフォーム検討をスタートさせたことには変わりませんが、そのアプローチやプロセスに違いがありました。耐震化工事の多くは、建物構造部を補修する必要があり、そのため内壁(場合によっては外壁)を解体することになります。よって、他の設備入れ替えや壁工事を伴うリフォームと同時に実施することで無駄が極力減らせるのです。
そういった耐震リフォームの特性を理解しないまま、耐震のためだけの耐震補強という狭い視野でリフォームを考えてしまうと、Bさんのように後でがっかりすることにつながるのです。
このようなことを防ぐためにも、普段から我が家のリフォーム方針などについて家族で相談し、慌てることのないようにしたいものです。