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ツーバイフォー累計200万戸突破! その要因を探る(2ページ目)

先日、ツーバイフォー工法の住宅が、新設着工ベースで200万戸を超えたというニュースが発信されました。今回はこれを元に、その背景はもちろん、ツーバイフォーの近年の動向などについてフィーチャーしてみます。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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ツーバイフォー工法が達成した200万戸という数字はエコの面でも注目されます。日本ツーバイフォー建築協会の試算によりますと、200万戸が固定化している炭素は約856万トンで森林面積に換算すると約5万330ヘクタールに相当。これは東京ドーム約10700戸分になるそうです。

2×4工法の「急激な成長」の要因とは

ツーバイフォーの都市型分譲

ポラスグループの中央住宅がツーバイフォー工法で建築した都市型分譲住宅。奥には東京スカイツリーが見える住宅密集地に建てられている

固定化とは木材が森林において大気中のCO2を吸収、酸素を排出し、地球温暖化の主な原因である炭素を吸収・貯蔵すること。ツーバイフォー工法など木造住宅は再生可能な木材を利用するという点で、環境への負荷が少ないといわれています。

さて、ツーバイフォー住宅は累計で100万戸達成するのに26年かかりました。そして次の100万戸、つまり200万戸に達するのに要したのはその半分以下の11年でした。これは急激な成長と言っていいと思います。その要因は何だったのでしょうか。

これはあまり言われていませんが、賃貸住宅への採用が増えたことが大きいと思います。賃貸住宅を専門とする会社がその建築手法として、コストパフォーマンスが高いツーバイフォーを選択するケースが増えてきたことが、要因の一つと私はみています。

戸建て住宅を見ても、都市型の狭小住宅(特に分譲住宅)にも、賃貸住宅と同様の理由で採用されるケースが増えてきました。これらは「用途の多様化」、つまり色々な種類の建物に採用されるようになった象徴的な事例であるといえそうです。

商業施設など用途の多様化が進む

付け加えると、ツーバイフォー工法は壁で構造強度を持たせるため、前ページの要因の(3)「高い設計の自由度」、つまりは柔軟な設計をしながら、耐震性の高い構造としやすいということがいえるのです。そうした点が住宅を建設するハウスメーカーや工務店、ビルダーの関係者に浸透してきたことが大きな要因といえます。

柏の葉アーバンデザインセンター

つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」で建築中の「柏の葉アーバンデザインセンター」(現在は完成済み)。三井ホームもツーバイフォー工法による大規模建築のノウハウが生かされている(クリックすると拡大します)

ツーバイフォー工法に関する用途の多様化の話をもう少ししますと、近年は大型の施設などに用いられることが増えてきました。それは例えば、高齢者介護施設や児童施設、さらには商業施設などです。

これは、ツーバイフォー工法が2004年(平成16年)に国土交通大臣より耐火構造認定を取得し、防火地域での木造建築が可能となったことが大きな要因となっています。防火地域において大規模かつ大空間の施設を建築する場合は、それ以前は建築基準法の規定により、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が一般的だったのです。

このことは、オープン化以来培ってきたツーバイフォー工法の信頼性が認められたことの現れ。もっとも、ほぼ同じ時期に木造軸組工法に関しても同様の認定を取得していますから、現在は木造建築全般に関して従来以上に様々な用途での活用が見込まれるようになってきたのが現状です。

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