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ツーバイフォー累計200万戸突破! その要因を探る

先日、ツーバイフォー工法の住宅が、新設着工ベースで200万戸を超えたというニュースが発信されました。今回はこれを元に、その背景はもちろん、ツーバイフォーの近年の動向などについてフィーチャーしてみます。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

社団法人・日本ツーバイフォー建築協会によりますと、ツーバイフォーの住宅の累計供給数が今年6月で200万戸(新設着工ベース)を超えたそうです。そこで、今回はツーバイフォー工法について改めておさらいをしてみましょう。北米生まれの工法ですが、導入から37年で我が国の住宅づくりの手法としてすっかり定着しました。

ツーバイフォー住宅の街並み

ツーバイフォー住宅による街並み。ツーバイフォーは工法としてはもちろん、様々なデザイン様式をわが国にもたらしたことでも貢献度が大きい(写真は東急ホームズの分譲地)

ツーバイフォー工法が日本の住宅づくりの工法として「オープン化」されたのは、1974年(昭和49年)のことです。オープン化というのは、誰でも使えるということ。つまりどんな施工業者だって建てられるということ(もちろん専門的な技術や知識を習得した上でのことですが)です。

ほかに我が国の伝統工法である木造軸組工法などがそれにあたります。オープン化についてよりわかりやすく説明するのは、プレハブ工法をあげるといいでしょう。プレハブ工法は、それを採用するそれぞれのハウスメーカーしか使えません。これを「クローズド工法」といいます。

ツーバイフォー工法が我が国で普及した要因はいくつかありますが、日本ツーバイフォー建築協会では以下の4つを要因としてあげています。
(1)基本性能の高さ
(2)明快なルール
(3)高い設計の自由度
(4)高い環境性能


東日本大震災でも被害状況を確認!

このうち基本性能としては、阪神淡路大震災や新潟県中越沖地震などの大地震の発生にあたり、被害状況を調査。高い耐震性を確認しています。こうしたことから、地震保険の点で一般的な木造住宅より保険料も割安に設定されています。

ツーバイフォーパネル生産の様子

ツーバイフォーパネルを製造する様子。「明快なルール」に基づき、高い品質を保ちながら製造されている(写真は三井ホームコンポーネント内の様子。クリックすると拡大します)

今年3月11日に発生した東日本大震災についても調査が行われています。調査対象住宅20772戸のうち約95%にあたる19640戸について、「当面は補修しなくても居住に支障がない」ことが確認されたといいます(7月23日時点)。

このほか、断熱性能の高さも特徴の一つ。アメリカはもちろんカナダなど、特に冬の気象条件が厳しいエリアで誕生した工法ですから、その性能が我が国でも受け継がれてきました。日本全国で普及していますが、中でも北海道や東北エリアでの採用が多いようです((4)にも共通)。

「明快なルール」というのは、元々構造用に使う製材(2×4や2×6、2×8など)とそれを活用する手法が北米で完成しており、合理的であったということ。もちろん、全てJAS規格などの認定品であることなど、ジャパンナイズも行われています。

次のページで、このほかのツーバイフォーの特徴と、成長の要因を探っていきましょう。
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