勉強でもまわり道は大切!
勉強もまわり道は大切!
エチ先生の教え子たちはこぞって東大へ合格し、その後、東大総長、最高裁事務総長、県知事などになられて、ご活躍されているそうです。
でも、この先生の国語の授業はとってもユニーク。教科書を使わず、一冊の薄い文庫本の内容を3年間かけて、ゆっくりじっくり教えていくんです。
その授業では、小説の中の主人公が感じた事を生徒たちにも同じように感じさせるために、小説に出てくる駄菓子を教室でみんなと食べたり、知らない単語があると、きちんと調べて、理解できるようにしていくために、授業は本筋の内容からはかなり横道にそれるそうなんです。2週間で1ページしか進まないなんてことも日常茶飯事なのだとか。
でもその授業によって、生徒たちは普段でも色々なことに気付きやすくなったり、興味があると自主的に調べたりして、観察力、判断力、推理力がついていき、受験はもちろんのこと、卒業後もご活躍されるほどの実力がついているわけなんです。
丸暗記の漢字の書き取りなどとは大違い。まさに“詰め込み教育”とは真逆の発想です。そしてそれこそが“本当の勉強”ともいえるでしょう。
エチ先生のお言葉にこういったのがあります。
「スピードが大事なんじゃない」
「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなります。 <中略>少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下げてほしい。<中略> そうやって自分で見つけたことは、君たちの一生の財産になります」
(参考文献「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」(伊藤 氏貴:著/小学館))
結局、回り道って回り道ではないこともあり、そこで“本物の実力”をつけることができたら、それこそが、むしろ“近道”になるんですよね。
それは恋愛・結婚にも言えるかもしれません。