為替介入は財務大臣が権限を持っている
日銀ではなく財務大臣に権限がある「為替介入」
しかし、為替介入の権限を持っているのは財務大臣なのだ。財務大臣が「円を売る」(介入をする)と決めて、資金を用意して、日銀が円を売る(ドルを買う)というのが、シンプルな流れだ。
為替介入の資金はどこから来るのか?
以前「為替介入!ところで円売りの「円」はどこから来たの?」の記事でも書いたが、この資金は「外国為替資金特別会計」という国家予算の特別会計から賄われる。外国為替資金特別会計は、政府が実施する外国為替等の売買(今回でいえば為替介入)などを円滑に行うためのもの。今回のように、円売り・ドル買い介入の場合には、政府短期証券(為券)を発行して円を調達してドルを買う。そうすることによって、過剰な円高を阻止するわけだ。
政府短期証券は、期間60日程度の割引債券のこと。割引債権と言われているくらいだから、額面から利子相当分を割引いた価格で発行され、期限に額面で償還される。たとえば、額面金額1億円の割引債券を9700万円で購入して、償還日に1億円を支払う。つまり、300万円が利子になるわけだ。
ここで準備された資金が日銀の当座預金口座に入ることになる。実際に、8月8日(月)の当座預金の残高を見ると、5日(金)よりも4.7兆円以上増えている。8月4日に4.5兆円規模の為替介入を行ったと見られているので、このための資金だ。
4日に行われた介入なのに、その資金は8日に入る?と思うかもしれないが、介入の決済は通常は2営業日後に行われる。