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FXの2つのレート「ビッド」と「オファー」とは

FXのレートを見ていると、2つのレートが表示されていることに気づかれると思います。たとえば米ドル/円だと、「78.15-78.20」というようになるのですが、これは1ドル=78円15銭から78円20銭の間で推移しているという意味ではありません。ビッドとオファーといって、米ドルの買いレートと売りレートを示しているのです。

内田 まさみ

執筆者:内田 まさみ

FXガイド

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売値と買値を間違えないように

FX用語で、買いレートを「ビッド」、売りレートを「オファー」と言います。では、「78.15-78.20」と表示されている場合、どちらがビッドで、どちらがオファーになるのでしょうか。

基本的に、マーケットでの値付けは、より安く売り、より高く買うのが普通です。そのルールに従えば、78.15が売りレート、78.20が買いレートになるはずです。
しかし、FXの取引画面を見てもらうと分かりますが、ビッドは78.15、オファーは78.20になります。なんだか変ですよね。そう、売りレートと買いレートが逆なのではないかと思う方もいらっしゃると思います。

「78.15-78.20」と表示されている場合、これはFX業者から見た買いレートと売りレートになります。つまり、投資家の側から見た場合は、FX会社から見た買いレートと売りレートの逆になるので、投資家にとっての売りレートは「78.15」、買いレートは「78.20」になるのです。実際に注文を出す場合は、ここを間違えないようにしてください。

そして、ビッドの78円15銭と、オファーの78円20銭の差額に相当する5銭は何かというと、これが「スプレッド」です。スプレッドはFX会社にとっての収益になり、投資家から見ればコストになります。

スプレッドは常に変動する

ところで、スプレッドは常に固定なのかどうかということですが、これはマーケットの状況に応じて変動するのが普通です。最近は固定スプレッドを売りものにしているFX会社もありますが、それでもマーケットが大きく変動する場合などは、一時的にスプレッドが広がるケースが見られます。

たとえば雇用統計など重要指標が発表された直後、為替レートは大きく動きます。このような場合、FX会社がスプレッドの幅を狭く提示していると、その直後の為替レートの変動によって、FX会社自身が損失を被ってしまう恐れがあります。

具体的に例を挙げて説明してみましょう。
雇用統計が発表される前の為替レートが、「78.15-78.20」だとします。ここで、雇用統計の数字が良いと判断した投資家が、78.15でドルを買ってきました。
するとFX業者は、78.15でドルを売ることになりますから、ドルの売りポジションを持つことになります。この状態でドル高が進むと、FX会社が持っているドルの売りポジションに含み損が生じてしまいますから、78.15でドルを買うというカバー取引を行います。
しかし、ドル買いの勢いが強く、あっという間に「78.20-78.25」になったら、このFX業者は本来、78.15でカバーのためのドル買いをするところを、78.20でドル買いのカバー取引をしなければならなくなります。本来、78.15で買うべきところを、78.20で買わなければならないわけですから、FX会社は5銭分の損失を被ったのと同じことになります。

このようなリスクを被らないよう、為替レートがあまりにも激しい時は、FX会社はスプレッドを広げることによって対応します。
たとえば、「78.15-78.20」というレートがマーケットの実勢だったとしても、レートが乱高下するような状況になったら、FX会社の判断で、顧客に提示するレートを「78.10-78.25」というように拡げるのです。
そうすれば、顧客がドルを買ってくるレートは78.10になりますから、FX会社は実勢レートの78.15との差額に相当する5銭分の利益を確保できます。そのため、直後に為替レートが乱高下したとしても、その5銭分がバッファーになり、損を被るリスクが低減されます。

顧客の側から見れば、スプレッドは出来るだけ狭く、マーケットが乱高下する中でもあまりスプレッドの幅が広がらないFX会社が理想です。常に複数のFX会社が提示するレートをチェックしておきましょう。
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