取引所取引と店頭取引の仕組みの違い

取引所取引は文字通り、投資家の売り注文と買い注文を取引所に集めて、売買を成立させます。レートは、マーケットメーカーと呼ばれる複数の金融機関が提示したものの中から、投資家にとって最も有利と思われるレートを取引所が選び、それを投資家に提示します。

たとえば、マーケットメーカーA、B、Cが、ドル/円について次のようなレートを提示したとしましょう。

マーケットメーカーA 80.20-80.25
マーケットメーカーB 80.21-80.26
マーケットメーカーC 80.19-80.24

上記2本値のうち左側がドルの売りレート、右がドルの買いレートになります。

投資家にとって有利なレートというのは、ドル買いについては出来るだけドルを安く買え、ドル売りについては出来るだけドルを高く売れるレートということになりますから、上記マーケットメーカー3社が提示しているレートのうち、投資家にとって最も有利な組み合わせは、ドルの売りレートが、マーケットメーカーBの提示する80円21銭、ドルの買いレートが、マーケットメーカーCの提示する80円24銭になり、両者の組み合わせにより、取引所が投資家に提示するレートは、「80.21-80.24」になります。

このように取引所が提示したレートを、投資家は取引所取引に参加しているFX会社を通じてチェックし、注文を出します。現在、取引所取引は、東京金融取引所が運営している「くりっく365」と、大阪証券取引所が運営している「大証FX」があります。

これに対して店頭取引の場合は、投資家が口座を開いたFX会社が提示したレートによって、投資家は注文を出します。

このように、提示されるレートの有利、不利という点では、複数のマーケットメーカーがレートを提示している取引所取引の方が、競争原理が働くため、投資家にとっては有利なレートになる可能性があります。

コスト面では有利な店頭取引

冒頭でも触れましたが、今年1月からFXの税制が一本化され、それまで雑所得として総合課税の対象になっていた店頭取引FXの収益に対する課税が、20%の申告分離課税に変わりました。

これによって、取引所取引と店頭取引の税制は同一になり、これまで税制メリットを前面に打ち出していた、取引所取引の税制面での優位性が無くなりました。
こうなると、店頭取引のメリットも注目されるようになります。というのも、コストの面では、店頭取引の方が有利である可能性があるからです。

FXのコストは、売りレートと買いレートの差額であるスプレッドと、為替売買手数料の2つですが、現在、店頭取引のコストは非常に格安で、スプレッドは多少かかるけれども、為替売買手数料は無料にしているところもあります。

これに対して取引所取引の場合、スプレッドは取引所に、為替売買手数料は取引所取引の取引参加者であるFX会社に支払う形になるため、いずれか一方を無料にしたり、あるいは大幅に割り引いたりすることができません。その分だけ、店頭取引に比べ、取引所取引のコストは割高になる傾向が見られます。

レートの中立性を採るか、それともコストの安さを採るか、その判断は投資家次第ですが、短期トレードを中心にしている投資家にとっては、コストが割安な店頭取引をお勧めしたいと思います。
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