それなりに
「2011夏ドラマ:暑いから?刑事と男装とイケメン(後編)」で心配していた『全開ガール』は持ちなおしました。名作『やまとなでしこ』を思い起こさせる幼少時の貧乏がトラウマとなって変わった行動をするヒロイン若葉(新垣結衣)。ただ『やまとなでしこ』はトラウマが恋愛方面に向かっていましたが、こちらはどちらかというと仕事方面に向かっています。そのあたりがもう一つ上にいけない要因でしょうか。『ドン・キホーテ』は定番・入れ替わりものの公式どおりの展開。まあおもしろいけど予想を上回るほどではありません。
『華和家の四姉妹』はキャストでそれなりにみせるけど、どこにむかっているのかがイマイチ見えないドラマです。
砕け散ったのは
期待されながらブッチギリにひどいのは『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』。理由は見ればわかるでしょう。キャストのあわなさ加減の前に、ドラマになってません。主演の前田敦子は『Q10』、映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』もイマイチ。女優としてはこれからちょっとつらい、人気面でもこれまで積み上げたイメージからマイナスになりました。他のイケメンものは深夜ドラマの『桜蘭高校ホスト部』も同様にドラマになっておらず、かろうじてドラマとしてみられるのは『美男ですね』。それでもつらいところです。
こんな中でも注目すべきものが
全体に不振な夏ドラマの中にあって、注目すべきものもあります。『それでも、生きててゆく』は少年犯罪と加害者・被害者家族の救いのない状況を描いています。いまこんな重いものは見たくないようで、このポジションですが、少数の人に堅く支持されています。
またこのグラフのさらに下にいる『IS~男でも女でもない性~』も刺激的な題材ながら「男でも女でもないではなく男でも女でもある」という春(福田沙紀)の祖母(丘みつ子)の考えに象徴される、やさしく見守る視点に好感が持てます。
ガイドが注目しているのは昼ドラの『明日の光をつかめ2』。少年犯罪と加害者・被害者家族という『それでも、生きてゆく』と同様のテーマを取り上げていますが、こちらの方が救いのある展開。少年少女を中心にした脱ドロドロ路線も二作目でこなれてきました。
今、いそがしい俳優は
ところで『明日の光をつかめ2』の舞台となる「たんぽぽ農場」の主宰者・北山のおっちゃん役の渡辺いっけい、『京都地検の女』では検察事務官役、『花ざかりの君たちへ』ではシェフ役、さらにこちらは終わりましたがNHK『下流の宴』では父親役と大忙しです。東京-京都間を新幹線で移動する姿が目に浮かびます。
視聴率グラフ