レバレッジとは
手持ち資金以上の取引ができることから、FX(外国為替証拠金取引)が個人投資家の注目を集めています。レバレッジを効かせるほど儲かる確率は高いですが、損をする可能性も高いので注意
通常の取引では、手持ち資金が10万円の場合には10万円までしか取引できません。しかし、FX等の証拠金取引では、手持ち資金を証拠金として差し入れることで、手持ち資金以上の取引ができるようになります。
このように、少ない資金で大きな金額を取引できるようになることを「レバレッジ効果(てこの原理)がある」と言います。具体的には、証拠金10万円で10万円を取引する場合はレバレッジ1倍、30万円を取引する場合は3倍、50万円を取引する場合はレバレッジ5倍になります。
レバレッジをきかせる=大きくするほど、大きな金額を取引できるようになり、儲けを増やすことができるようになり、手持ち資金が少ない場合にはとても魅力的な取引方法です。
最大レバレッジが25倍に変更に
FXでは以前、レバレッジが100倍、200倍というものもありました。しかし、レバレッジが高いと言うことは、儲けが大きくなる半面、損失も大きくなると言うことです。そのため、顧客保護等の観点から、レバレッジは昨年から最大50倍までに規制され、さらに2011年8月1日から最大25倍に変更になりました(金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令)。
レバレッジ引き下げでのメリットと注意点
レバレッジが25倍に引き下げられたと言うことは、証拠金として維持していなければならない預け入れ率(証拠金維持率)が上がったと言うことです。レバレッジ50倍での証拠金維持率は2%でしたが、レバレッジ25倍では4%です。為替相場が大きく動いた場合には、証拠金の維持率が引き上げられたことで、これまでよりも早いタイミングでロスカット・ルールにかかってしまいます。不測の事態に備えて、自分のロスカットのルールを明確にしておき、これまで以上にロスカットされるタイミングには注意を払っておいた方がよいでしょう。
一方で、レバレッジが25倍に引き下げられたことで、証拠金として預け入れる金額は変わらなくても、取引できる金額はこれまでよりも少なくなります。儲けのチャンスは少なくなってしまいますが、損失を小さくすることができるようになったと考えることもできます。個人投資家の保護という点ではより安心できる投資環境になったと言えるでしょう。
最大レバレッジが25倍に引き下げられたとは言え、株の信用取引(レバレッジ3倍)に比べればまだまだ高レバレッジです。自分に合ったレバレッジがどの程度なのかを考えて、取引していった方が良いでしょう。