肺・気道の病気/間質性肺炎・マイコプラズマ肺炎・SARS

クラミジア肺炎の症状・治療・合併症

クラミジアという病原体は、肺炎クラミジア、トラコーマ・クラミジア、オウム病クラミジアの3種類の病気を引き起こします。それぞれ少し違った感染の仕方をしますが、クラミジア肺炎は肺炎だけでなく、さまざまな症状を伴うのが特徴です。詳しく解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

クラミジア肺炎とは

クラミジア肺炎は、その名の通り、クラミジアという病原体によって起こる肺炎です。クラミジアと聞くと性病の名前を連想する人が多いようですが、それだけではありません。そもそも「クラミジア」は細胞内に寄生して増える微生物。DNAとRNAという遺伝子を持っている細菌の1種ですが、細胞に取り込まれることで初めて分裂し始め、増えていきます。増えるとその細胞を飛び出して、さらに新しい細胞に取り込まれ、また増えていきます。同じような微生物にマイコプラズマがあります。
マイコプラズマ肺炎の症状・治療・予防法

細胞がないと増えないので、培養検査が難しいのも特徴。1965年に台湾で発見されたクラミジア、正式名「Chlamydia Pneumoniae」と言い、Pneumoniaeは肺炎と言う意味です。この記事ではクラミジア肺炎で統一します。

クラミジア肺炎の症状

胸部X線

肺炎クラミジアは名前の通り肺炎を起こします

呼吸器感染症として、上気道炎、扁桃炎、咽頭炎、急性副鼻腔炎、急性気管支炎、急性肺炎などを起こします。
  • 38℃までの微熱から、時に39℃近い高熱
  • 咳、痰のある咳(乾いた咳から始まり、痰が絡んできたりします)
  • 鼻水、鼻づまり
  • ノドの痛み(咽頭痛)
  • 副鼻腔炎や発熱による頭痛
などの正に、肺炎などの症状です。

クラミジア肺炎の感染経路・潜伏期間

咳や鼻水、ツバなどによってうつる飛沫感染。感染してから発症するまでの潜伏期間は3~4週間です。

クラミジア肺炎以外の病気

肺炎を引き起こすタイプのクラミジアに感染すると、その他の様々な病気に原因になったり、悪化・誘発原因になったりします。
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)という慢性的に肺の炎症があって、肺の機能が落ちてしまっている病気の悪化因子
  • 気管支喘息では喘息発作の誘発因子
  • SLEや関節リウマチなどの膠原病の誘発因子
  • 関節炎などリウマチに似た関節炎の原因
  • 動脈硬化の原因
  • 紅斑という赤い発疹の原因
  • リンパ節が腫れる原因
など、様々な原因になっています。ガイドも関節炎などリウマチに似た関節炎の症例などを経験して、学会や論文で報告しています。

次のページでクラミジア肺炎の診断と治療を説明します
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