変わりつつある抗がん剤治療

抗がん剤の副作用

抗がん剤といえば、激しい吐き気。そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?しかし、その状況は大きく変わりつつあります。

一昔前まで、抗がん剤治療は、非常に副作用が強い治療法というイメージが強かったように思います。脱毛や嘔気、嘔吐などの他、白血球が減少するため、無菌室での療養を余儀なくされる……。もちろん、入院した上で受けることが大前提となる治療法でした。

しかし、現在はずいぶん様子が異なってきました。新しい抗がん剤の開発に加え、副作用対策の充実、使用方法の工夫によって、入院が必要ではない治療法が急速に増えてきています。

がん三大療法のひとつである抗がん剤治療は、がん治療において非常に重要な役割を持ちます。今回は、抗がん剤治療の最近の話題をわかりやすくご説明しましょう。

新しい抗がん剤の開発と抗がん剤の使用法の工夫

抗がん剤も内服薬に。

最近、医療現場で用いられるようになった抗がん剤の中には、内服薬として販売されているものも多いです。これも、抗がん剤治療の場所がかわる要因の一つになりました。

私が医師になった16年前。抗がん剤治療(化学療法)は入院理由の一つでした。私は外科の病棟に配属されましたが、胃がんや大腸がんの患者さんを中心に、抗がん剤治療は点滴をメインに行っていました。

今から10年ぐらい前から、新しい抗がん剤がたくさん開発され、日本でも保険が適応されがん治療の現場で用いられるようになってきました。

それらの中には、点滴ではなく飲み薬であるものも多く、副作用も軽減もしくは出にくいものが増えてきました。

さらには、副作用を軽減するための薬剤も使用できるようになったこと、抗がん剤の使用法(プロトコール)の工夫も進んだことなどによって、抗がん剤治療の安全性は従来に比べてもぐっと高まってきました。

これからの抗がん剤治療と町の薬局

町の薬局と抗がん剤治療

外来で抗がん剤治療を行っていく上では、病院や開業医、訪問看護ステーションなどとの連携が重要になってきます。ことに、お薬がどのようのお渡しされるのかを考えると、町の薬局・薬剤師の役割は大きくなりつつあります。


 
現在、抗がん剤治療は内服薬を併用した外来での治療に変わりつつあると言えます。そうなるといくつか注意すべき点があります。

その代表的なものが、
1. 抗がん剤について不明な点が出たときにどうするか?
3. 副作用が出たときの対応をどうするか?
という2点です。

意外なようですが、実はこの2つのポイントをクリアするためには、町の薬局の密接な支援が必要だと考えています。

1については、抗がん剤も医療機関から処方箋を発行する時代になっているので、お薬を受け取るのは町の薬局です。その薬剤師はお薬について専門的な教育をうけた医療従事者です。何かあれば、病院に尋ねるのではなく、まず、薬局の薬剤師に尋ねることで多くの疑問や不安は解消できるでしょう。

2についても、町の薬局の薬剤師が、お薬をお渡しするだけでなく、患者さんの状態を把握できる時代が到来しつつあります(2006年から薬学部も医学部と同じ6年制になり、より臨床的な活動ができる薬剤師が養成されています)。

もちろん、薬局も薬剤師も今まで以上に体制を整え勉強して行かなくてはなりません。

21世紀の地域医療のあるべきかたちのひとつが、この外来での抗がん剤治療と言えるでしょう。
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