肩こりは遺伝するの?
身内に肩こりの人がいると自身も不安になる場合が多いようです
確かに私が実際にお会いする方々からも、「身内の中に肩こりで苦労している」という話を伺うことがよくあります。
運動をしたり、ゆっくり入浴したり、マッサージをしたり……という方法で、少しでも緩和される肩こりに関しては、遺伝するものとは考えにくいです。ただ、肩こりを起こしやすい生活様式によって、同居の家族に肩こりがおこったりする可能性はあると思います。
また、帰宅してもバタバタと忙しく緊張が途切れないタイプの人は、ご家族の肩こりとは関係なく、ご自身の生活の中に肩こりのきっかけがあるかもしれません。
意外と影響があるものは、「肩こりがつらくてね~」と幼いころから聞かされて育った場合、その心理的な影響から子供も肩こりを起こすような緊張を生じやすい状態になる可能性があります。母親のつらそうな姿を見続けていると、子供も心配し不安になってしまうことが関連すると思われます。
なかなか寝付けないのは肩こりのせい?
肩こりと睡眠の問題は関連がみられるケースがあります
肩こりの自覚症状の有無にかかわらず、首から肩、背中、鎖骨の下あたりの筋肉が凝り固まっていると、快適な眠りにつけなくなる可能性があります。
肩こりに関連する筋肉が凝り固まると、ベッドに入り横になっても全身の力を自然に抜くことができず、枕や布団に接する体の部分に違和感を覚えたりもします。早めに筋肉の凝りをほぐすことができると、寝具での違和感は解消されることが多いので、枕を買い換えずに済む人もいます。
また、筋肉が凝り固まった状態では、眠ろうと思ってもリラックスをする神経系が優位に働きにくいため、入眠が困難になることがあります。眠れないから、眠りやすくなる薬を常用しているという話も聞きますが、肩こりが原因で寝つきが悪いのかもしれません。
自己判断はせずに、医師を受診後、疾患によるものでなければ、まずは肩こりに対するケアをお試しいただければと思います。
運動をしているのに肩が凝るのですが……
運動しているのに肩こりに変化がなくがっかり……という声も
しかし、運動を実践している人全員に肩こりに対する効果が得られているか……というと、残念ながら必ずしも当てはまっていません。考えられる原因には、次のようなものがあります。
■肩こりに関わる筋肉を動かすことができていない
肩こりは、精神的なリラックスも、体の深部を温めることも有効なので、公園を歩いてみたり、軽くジョギングしてみたり…ということからも良い影響を受けます。ですが、首や肩周辺の筋肉に的を絞ってできる運動も加えたほうが、肩こりが楽になったと感じやすくなるかもしれません。
■意図する筋肉を動かせていない
例えば、肩こり体操などで、肩甲骨を動かすものがありますが、実際には肩甲骨を意識して動かすことができていないため、筋肉にも刺激がしっかりと入らず、効果が得られない、ということがあります。
■運動をすることで緊張してしまう
スポーツクラブなどで、マンツーマンの指導を受けたり、エアロビクスなどのプログラムに参加したりと、積極的に運動に取り組む人がいます。ところが、「上手にできるか?」「インストラクターさんに見られるとあがってしまい、動きがぎこちなくなる」といった「精神的な緊張」から、肩こりへつながってしまうケースがあります。思うようにできないからといって、イライラ焦ることも禁物です。
慣れてくると、こうした緊張感もほぐれてくると思いますが、最初のうちは、「きちんと運動ができるか」にとらわれてしまい動作も硬くなってしまいがちです。軽度のトレーニングや簡単なエクササイズからはじめて、運動自体に自信が持てるようになると、緊張感も少なくステップアップできると思います。
また、運動の後は筋肉疲労をためないように、よくストレッチをしたり、少し歩いてクールダウンを行ったりすることをお勧めいたします。