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インターネット掲示板への書き込み被害の対策

世の中が便利になれば、その裏にトラブルや犯罪が隠れていることが多々あります。近年の急激なインターネット普及の裏にも、残念ながら、トラブルや犯罪が見受けられるのが現状です。今回は、「掲示板」を取り巻く被害に関して、どのように立ち向かっていけばよいか刑事上の責任と民事上の責任に分けて検証します。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

インターネット利用者の増加に伴い、インターネット上でのトラブルが急増しています。今回はその中でも度々問題となっている、インターネット掲示板への書き込みについて取り上げます。

インターネット上で問題となるような書き込みをした場合、刑事上の責任と民事上の責任を追及されることになります。まずは、刑事上の責任からみてみましょう。

刑事上の責任は?

インターネット掲示板に、悪質書き込みを見つけてしまったら、どうすればいい?

インターネット掲示板に、悪質書き込みを見つけてしまったら、どうすればいい?

■例1:ある人の名誉を毀損する書き込みをした場合
刑法230条により、3年以下の懲役若しくは禁錮又50万円以下の罰金に処せられることになります。実際の裁判において名誉毀損に当たるとされた書き込みとしては、「刑事裁判で無罪とされた者について、実際に犯罪行為を行ったとの印象を与える書き込み」「米国の出入国法に違反した疑いが濃厚」「胎児殺し」などの書き込みが挙げられます。

■例2:誰かの生命身体に危害を加えるというような犯罪予告の書き込みをした場合
脅迫罪に当たる場合があります。実際に逮捕に至ったケースとして、とある有名芸能人を名指しし、「包丁で刺し殺します。ご期待ください。これは犯行予告だ。」といった書き込みや、有名な歌手を名指しし、「8月10日に殺します。場所はてめぇの家だ。」といった書き込みをしたケースがあります。脅迫罪は、二年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されることになります。また、上記危害の予告により、本来必要のない警備・警戒をさせたということで威力業務妨害罪となる場合もあります。威力業務妨害罪とは、直接的・有形的な方法で人の業務を妨害することに対する罪ですが、刑法233条により3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることになります。


民事上の責任は?

書き込みによって他人の名誉を傷つければ、精神的損害を償う必要があるので、損害賠償責任を負います。また、店の評判を落として店の売り上げを落としたりした場合には、店が得られたはずの利益を賠償する責任を負うことになります。

■書き込みをした者の特定方法
インターネットは匿名性を有すると言われていますが、実はそれは一般人同士の場合です。プロバイダーや企業管理者は、誰がインターネットに書きこんだか特定できます。なお、掲示板によっては、書き込んだ者のIPアドレスが表示されることがありますが、IPアドレスだけでは個人を特定することができません。どこのプロバイダーか、どこの会社か、どこの学校かなど、発信源の組織はある程度特定可能ですが、同一のプロバイダーを使用していたり、同じ会社から発信している人が複数人いたりする可能性があり、個人の特定という点では限界があります。

そこで、特定の個人を特定するためには、プロバイダー・管理者に対して書き込みをした者の情報を開示する必要があります。会社のパソコンから書き込みをしたと考えられる場合には、会社のシステム管理者に情報の開示を求めればよいですが、そうでない場合には、プロバイダーに情報開示を求めます。

では、具体的にはどのように開示請求すればよいのでしょう? >>

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