住みたい街 関西/キケンな街の見分け方[関西]

水害に強い街を探す~ハザードマップで調べる

関西においては阪神淡路大震災以降、活断層有の有無や埋立地であるかどうかが、不動産購入時のチェックポイントの一つとなりました。そして東日本大震災。今までは、殆どの人が気にも留めなかった「津波による被害の危険性」が取りざたされるようになりました。今回は津波や水害に強い街はどこなのかを考えてみます。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

津波に強い街はどこか?という事で考えられる答えは「高台の街」。また「海から遠い街」「川から遠い街」である事もポイントでしょう。では一体どれくらいはなれていれば良いのでしょう。それに関してはショッキングなシミュレーションがあります。

枚方市~八尾市も津波被害の可能性!

【msn産経ニュース、2011年6月16日の記事より】

【msn産経ニュース2011年6月16日記事より引用】

こちらの図はmsn産経ニュースに掲載されていた記事から引用したものです。大阪湾沿岸部が津波の心配がある事は感覚的にわかりますが、はるか内陸部まで浸水域となっているのは驚きです。

「大阪府北東部の北摂、河内地域など約40キロ離れた地点まで浸水被害を受ける可能性がある」という事であり、上町台地を除く大阪市内周辺とその河内エリアの八尾市/東大阪市/大東市から北上して、京阪エリアの寝屋川市/枚方市、そして北摂エリアの高槻市/茨木市/摂津市/吹田市/豊中市、兵庫県の尼崎市あたりまで津波の被害を受ける可能性があります。

ただし、この図が示しているのはあくまで浸水域。全てのエリアが大規模な被害を受けるという事ではありません。「巨大災害が起きた時は浸水エリアになる事もある」という心構えが大切だといえます。

災害時のシミュレーションは数多くあって、その多くがおおまかな場所しかわかりません。「住みたい街(or住んでいる街)はどれくらいの高台にあるのか?」を手っ取り早く知りたい方に便利なのがこちらの「Flood Map(フラッドマップ)」です。

このマップでは、津波などで水位が上昇した場合、どのエリアが影響を受けるかを上昇推移毎に確認する事ができます。

使い方は簡単。マウスのドラッグで地図の位置を調整、左側の縮尺ツールを利用して調べたいエリアを表示させます。ココまではGoogleMapのp使い方と同じ。

次に、左上の「Sea level rise」と書かれたプルダウンボックスで水位を指定します。すると水没するエリアが青色に変わって表示されます。たとえば、水位が9m上昇した場合、大阪城周辺の様子を示したのが下記の図です。

大阪城周辺、水位上昇時の様子

【Flood mapでみた水位9m上昇時の様子】

大阪城から南に伸びる上町台地部分はそのままで、大阪城以東のエリアが青色に染まっているのがわかります。

このFlood Mapで示されるのは水位上昇時の様子であり、津波や大雨による河川氾濫の場合の災害エリアとは異なります(堤防の有無や水源からの距離などは、考慮されていません)。しかし、周囲との高低差を把握するにはとても適しており(なんといってもシンプルで使いやすい!)、大雨が降った時の冠水の有無をイメージするにはちょうど良いでしょう。

次のページでは、行政が提供する情報から「水害に強い街」を探ってみます。
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