夫婦関係/夫婦円満のコツ

夫婦喧嘩の謝り方、うまく終わらせるコツ

若い人を中心に、家庭で人とのコミュニケーションが苦手な人、相手の気持ちを共感し上手に謝ることができない人が増え、「なかなか夫婦喧嘩を収拾できない」と言う悩みをよく聞きます。そこで、相手に上手に謝るコツや、冷戦状態にうまくピリオドを打つきっかけをお教えします。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

夫婦喧嘩を収束できない夫婦が増えています

夫婦喧嘩の謝り方、うまく終わらせるコツ

夫婦喧嘩を収束できないカップル増加中

「夫婦喧嘩は犬も食わない」などと言われるように、夫婦喧嘩は一時的なもので、すぐ仲直りする。 仲裁などするものではないと一般的には考えられています。ところが、最近では、私が主宰する「恋人・夫婦仲相談所」にも、「頭に来たので速攻で実家に帰ってきました」「へそを曲げてしまった夫がもう1週間も全く口を聞きません」など、なかなか収束できない夫婦喧嘩の相談例がよく見られます。

若い人を中心に、人と意見を交わしあったり、説得や交渉、妥協や謝罪をしたり、相手を許したりといった、対人コミュニケーションが苦手な人が多くなっているように感じます。そこで今回は「なかなか夫婦喧嘩を収拾できない」と言う方向けに、上手に謝るコツや冷戦状態にうまくピリオドを打つコツをお教えしましょう。
 

<目次>
 

こんな「コュニケーション下手」な配偶者はいませんか?

子どものころからゲームのようなバーチャルな環境で遊ぶことの多かった今の20
代は、リアルでのコミュニケーションの経験が不足しているとよく言われます。リアルな友達関係と違い、「スイッチを切れば終わり」「リセットすればなくなる」ゲームの世界では、なかなか濃いコミュニケーションができません。メールでは多弁でも、対面ではうまく会話ができないような若者も時折見かけます。比較的つながりの薄い「友人」とのコミュニケーションが苦手であるなら、もっと濃いつながりである夫婦のコミュニケーションはさらに苦手と考えられます。

  • 自分の意見を言わないで黙りこむ
  • 自分の主張ばかりで人の意見を聞かない
  • 口ではかなわないのですぐに切れて物に当たる
  • 話しあわずにその場を逃げ出す
  • 切り替えが下手で、いつまでもケンカの状態を引きずる
  • 決して自分が悪いと認めない

などなど……。こんな「下手な夫婦喧嘩」をする人は、近くにいませんか?「あ、自分に当てはまるかも」という方は要注意。
 

「夫婦喧嘩のルール」を復習して気持ちを落ち着かせる

夫婦喧嘩にも作法があります。たとえば、「相手の行為は否定しても個性や容姿など本質的なものは否定しない」「親族の悪口を言わない」「両方が意見を言う時間を公平に持つ」「暴力はどんな理由であれNG」等は代表的なルールです。つまり、夫婦喧嘩が「意見交換」であるうちはいいのですが、それが「感情のぶつけあい」「八つ当たり」、ののしりあいにならないように注意することが大事です。

しかし、意識していてもついつい感情的になって、双方頭に血が上ることもあるでしょう。そんな状態では、それ以上実のある話し合いはできません。とりあえず、一旦「休戦」とするのがベストです。まずはお互いが一人になり、頭を冷やしましょう。自分を落ち着かせ、ささくれだった心をリラックスさせる方法を、日ごろから持っておくといいですね。「好きな香りのアロマオイルを焚いてみる」「ストレッチやジョギングなどの軽い運動をする」「家の近所を散歩する」「お気に入りの映画や音楽に集中する」「好きな飲み物を飲んでまったりする」「買い物に出掛ける」など、何でもいいです。「自分」を取り戻し、感情をリセットできることをしましょう。
 

正しい「ケンカ」の原因の分析方法とは?

気持ちを落ち着かせることができたら、次には夫婦喧嘩の内容を振り返ってみましょう。ポイントは「どちらの主張が正しいか」「どちらの意見に従うべきか」を、理屈で結論付けようとしないことです。人は感情に支配された生き物。理屈だけでは動きません。だからその矛盾がケンカの原因になったりするのです。たとえ理屈で相手をやりこめることができたとしても、決してそれは根本的な解決にはなりません。

まず、ケンカの際の相手の主張をもう一度思いだしてみましょう。そして、相手がそのように思う理由や、そこから導き出せそうな結果が何なのかを考えてみましょう。「なぜそんな風に考えるのか」「この主張をすることで、どうしようとしているのか」など。このように、相手の「思い」をくみ取るようにしてみると、その主張だけを見たら100%納得できないような物であっても、その背景には何かしら共感できる要素、理解できる一面があることが多いのです。もしそれが見つけられれば、ケンカを終わらせる方法が見つかったも同然です。
 

相手に「理解・共感」を伝えるのが喧嘩状態解消のきっかけ

相手の主張の中に少しでも理解できるものがみつかれば、その共感を相手に伝えることが、「雪解けの第一歩」です。時間をおいてお互いが冷静になったところで、改めてきりだすのがいいでしょう。

例えば、「冷静になって改めて考えてみたんだけど、あなたが○○と主張するのって、きっとこんな考えや気持ちがあるからなのかなって思ったの。その気持ちは、私にも少しわかるわ」のような感じです。

ケンカの内容を蒸し返すのではなく、相手の主張を受け入れて降伏するのでもな
く、相手の抱いている主張の「背景」に対して、理解と共感を示すことがポイン
トです。たとえ、相手の主張が受け入れられなくても、背景への理解なら、抵抗
感なく示すことができるのではないでしょうか?

一方相手の気持ちになると、たとえ「主張」が理解されなくても、「私はあなたの言葉の背後の気持ちを考え、理解しようとしました」とをされることは、大きな意味を持ちます。相手は自分を理解してくれた。もしくは少なくとも理解しようと努めてくれたという事実は、誰にとってもうれしいものです。その喜びが、心に張り巡らせていたバリアをとりのぞく鍵になります。たとえ、今後もその主張は変わらなかったとしても、少なくとも以前よりも「相手に自分の主張を理解してもらうにはどうしたらいいか」を考えてくれるようになるはずです。そうなれば、もしまた夫婦喧嘩になることがあったとしても、その内容は以前とは違ってくるはずです。

夫婦喧嘩が他人とのケンカよりも深刻なものになりやすいのは「最もわかってく
れてるはずの人」「最も共感してくれるはずの人」と意見が食い違うことへの失望が大きいからです。もともと分かり合えないと思っている人なら意見が食い違っても当たり前なので、かえってケンカにはなりません。夫婦喧嘩だからこそ「相手への理解・共感」が状況を好転させるキーワードになるのです。

もちろん、こちらが共感を示しても、いつまでもひねくれているようなパートナーもいるかもしれません。そのような場合は、こちらは素知らぬふりで普通通りに接することがコツです。意地を張っている相手に「いつまでそんな風にしているの」「いいかげんやめて」などと言っても、余計に態度が硬化するだけ。普通通り、視線をちゃんとあわせて声をかける事を淡々と続けましょう。表向きは意地を張っている方も、内心ではパートナーの「共感」にぐらりときているはず。態度を軟化させるタイミングを狙っているだけの可能性があります。相手が乗ってきそうな話題を振るなど、相手が元に戻りやすいきっかけを上手に作ってあげましょう。
 

夫婦ならではの上手な謝り方とは?

夫婦ならではの、スムーズな謝り方のコツは、謝罪の言葉にスキンシップを添えること

夫婦ならではの、スムーズな謝り方のコツは、謝罪の言葉にスキンシップを添えること

さて、ここまでは、相手の主張に納得できないまでも「雪解け」に持っていく方法をご紹介しました。次にご紹介するのはケンカして、一人になってケンカの内容を振り返った時、実は自分が悪かったと気づいた場合の対処法です。この対処法はごくシンプル。「素直に謝る」のが一番です。理由や言い訳は不要。よけいな見栄やごまかしも取り払って、一気に謝ってしまいましょう。もし、口頭で言いづらければメールや手紙でも構いません。

ただし、夫婦ならではの、スムーズな謝り方のコツは、謝罪の言葉にスキンシップを添えることです。後ろからハグする、前から抱きしめる、手をつなぐ、腕をからめる、肩をだきよせる、肩に寄りそう、体を寄せる、頭をなでる、頬に触れる、さまざまなバリエーションがありますが、その場の状況や本人のキャラクター、相手の性格などを判断して、やりやすいものを選んでいただければOKです。もちろん、いつもと違う仕草で、サプライズを狙うのもひとつのよい方法。女性の場合なら、特に男性の「守ってあげたい」気持ちをくすぐるものが最適です。男性の場合なら、女性の「母性本能」をくすぐる動作が、成功率が高いでしょう。男女とも、自分のセクシャルな魅力を最大限に利用しましょう。

夫婦だからこそ深刻になりがちなケンカ。でも、夫婦だからこそ使えるテクニックで上手にのりきってくださいね。

【関連記事】

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で夫婦関係関連の書籍を見るAmazon で夫婦関係の書籍を見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます