お盆の食べ物は地域によってさまざま
お盆は旧暦7月15日を中心に行われる日本の民俗行事・仏教行事です。13日の迎え盆から16日の送り盆までは農作業や商いを休み、ご先祖を思い感謝する期間とされていました。
お盆といえば、昔は親戚一同が集まる一大イベント。重箱を用意したり、買出しをしたり、女性達は2~3日前から食べ物の準備をはじめます。
お盆のごちそうは、地域によって実にさまざま。「目で楽しめるように」と彩りまでも考えられている点は、今も昔も変わりません。たとえば「天ぷらは、なす、いんげん、かぼちゃなど、必ず三色以上つける習わしになっている」とか、盆団子も小豆、きな粉、醤油、赤砂糖、蜂蜜などに絡めてお膳を華やかにする工夫があちらこちらで見られます。お盆の食べ物は精進料理という地域は多い
お盆期間中は精進料理で暮らす習わしが伝えられてきたそう。時代とともに簡略化されてきてはいるものの、お団子、焼き麩入りのそうめん汁、ながいも、にんじん、こんにゃく、しいたけ、れんこんを材料にした煮しめ、青菜のおひたし、なす、きゅうりの新漬が家庭の盆料理。そのかわり、お客様が来たときは磯魚の刺身など魚料理をたくさん作り、地酒でおもてなしするのだとか。全国的にも、お盆の食べ物といえば精進料理とする地域が多いようですが、地元産の魚介類を佃煮、煮魚、塩漬けにしてお膳に並んだり、そうめん汁や味噌汁の出汁として干し魚を使っているところもあります。
興味深いのは、お客様をお迎えする際にカルピスと果物でおもてなしをする地域が見られること。ひと昔前までは、カルピスといえばお中元時期の特別な頂き物として貴重な品だったからでしょうか、少し濃い目に氷を多めに入れてお出しすることがワンランク上のおもてなしと考えられていたのかもしれませんね。
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