横浜線、横浜市営地下鉄グリーンラインの2線利用可、
車でも便利な足回り
都心へ向かう主要私鉄をつないで走る横浜線。朝夕は混雑する
港北ニュータウンを擁する都筑区、たまプラーザや青葉台のある青葉区の南に東西に細長く広がる横浜市緑区。中山はその中央部よりやや横浜寄りに位置します。通っているのはかつて、明治期に八王子、信州からの生糸を横浜から輸出するために作られた横浜鉄道、現横浜線と2008年(平成20年)に開業した中山を起点とし、港北ニュータウンを横切って東急東横線日吉を結ぶ横浜市営地下鉄グリーンラインの2線。横浜線は菊名で東急東横線、長津田で東急田園都市線、町田で小田急線、橋本で京王線、JR線、そして新横浜で東海道新幹線と交差しており、乗り換えはあるものの、都心、横浜、都下の中心都市にアクセスしやすい路線です。
また、東名高速の横浜青葉インター、第三京浜の港北インターに近く、車でも動きやすい立地。2016年(平成28年)には港北インターから首都高速道路横浜羽田空港線生麦ジャンクションをつなぐ横浜環状北線開業も予定されており、完成すれば湾岸、羽田が近くなります。
近隣には大規模商業施設、
地元には古い商店街も
商業施設、スーパーなどを備えたららぽーと横浜。休日には駐車場待ちの行列ができる人気ぶり
足回りとともに、この周辺の買い物事情を変えたのが前出の地下鉄グリーンライン。元々駅南口に区内有数の商店街があり、スーパー、駅ビルなどはあったものの、港北ニュータウンに出られるようになったことで、利用できる商業施設は大幅に増えました。また、開業前年には中山からなら自転車でも行ける距離にある、隣駅鴨居にららぽーと横浜もオープンしています。
再開発が終わり、整備された北口。進学塾、予備校の看板も目についた
そのため、元々は小机~鴨居間の車窓には現在も広がっている、畑の多い田園風景はかなり変わりました。特に北口側は再開発が行われ、整然とした街並みに生まれ変わっています。ロータリーに面してはスーパーもあります。
南口側の商店街は道が細く、低層の建物も多い。バスの乗り入れも多く、交通整理が必要
一方で店の数、種類はあるものの、いかにも昔ながらの商店街というのが南口。道が細く、歩道の整備が追いついていないため、駅近くでは交通整理の人員が必要なほど。昔ながらの面影が残っていると言い方もできますが、子ども連れやお年寄りにはやや危険かもしれません。横浜線から南区役所前の通りまでの間はいずれ再開発をする予定があり、地下鉄開業時に再開発準備組合が設立されてはいますが、実際に街が変わるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
広大な公園に雑木林、農地、川……
緑と水に恵まれた環境
広大な四季の森公園内にはこの地域の原風景ともいえる里山の風景が広がる
足回り、交通の利便性以外で、この街の特徴と言えば、公園でしょう。緑区は横浜市でもっとも緑被率の高いエリアで、広大な公園が多いのですが、そのひとつが、駅南口、区役所、消防署、緑公会堂などのある周辺から遊歩道が導いてくれる県立四季の森公園です。1988年(昭和63年)にオープンしたこの公園は起伏を生かした里山の風景が楽しめる場所で、水遊びができる池やホタルも見られる湿原などもあります。休日には広場でお弁当を広げる家族連れ、カップルの姿も多く、のんびりした時間が過ごせます。
南口駅ビルロンロンの脇にズーラシア行のバス停。家族連れなどでにぎわう
また、南口駅前からは横浜動物の森公園ズーラシアへのバスが出ており、ここも休日にはバス待ちの行列ができていました。
恩田川沿いには畑、住宅、工場が立地、緑も多い
北口側では恩田川沿いに緑が広がります。駅から川までの間ではビルや集合住宅なども増えていますが、川を超すと農地に一戸建てが混じるのどかな雰囲気。川沿いにはいくつか大手企業の工場もあります。
●中山と周辺の位置関係
中山と周辺の位置関係図。恩田川は谷本川と中山~鴨居間で合流、鶴見川となって流れる。位置、距離などは正確ではない
利便性、緑に続いては気になる
横浜線・横浜市営地下鉄グリーンライン中山の住宅事情を見ていきましょう。