理屈抜きで子どもも楽しめる
『てっぱん』は内容は大人向けですが、ダンスにより子どもまで楽しめるものになりました。『怪物くん』と『マルモのおきて』はドラマそのものも子どもまで対象にしたものですが、ダンスによりストーリーがわからない幼児にまで対象を広げることができます。ドラマは以前は若い女性層をターゲットにしぼって高視聴率をあげていましたが、最近は広い年齢層に見てもらうことが必要になっています。そんな流れにダンスはあっています。
視聴者参加
誰でも参加
そこまで視聴者参加じゃなくてもカイカイ体操でもマルモリダンスでも自分で体を動かすことによる参加感でドラマに親しむことができます。
『てっぱん』と同じ朝ドラで『瞳』はヒップホップダンサーを目指し、EXILEのMAKIDAI・眞木大輔も出演していましたが、マジなダンスでは視聴者がついていけません。ゆるくないと。
ゆる~いダンスの起源は
さてゆるいダンスを使うのはヒーロー・アニメなど子供向け番組には昔からよく使われる手です。先駆けはたぶん1965年に最初にアニメ化された『オバケのQ太郎』の「オバQ音頭」。レコードを200万枚を売り上げるロングラン商品となり、以後アニメソングの音頭ものはたくさんつくられました。一般向けのドラマにまできたのは1977年のTBS系で放送された『ムー』。ドラマにバラエティ要素を盛り込んだ先鋭的なドラマでした。バラエティ色の一つとして、ドラマ中で郷ひろみと樹木希林が歌って踊ったのが「お化けのロック」。翌78年の続編『ムー一族』でも同じ郷・樹木で「林檎殺人事件」を歌い、この時にはTBSの人気歌番組『ザ・ベストテン』も始まりさらに話題になりました。
母子関係はシビア
ところで最後にちょっと脱線。『マルモのおきて』6/5放送の第8話で、双子の実の母は育児ノイローゼで家を出ていたことが明らかになりました。春ドラマでは最初から母子関係に問題があるドラマが多いのですが、この週(5/30~6/5)はさらに母子関係が悪化したドラマが増えています。
まず最初から問題があるのはママ友の人間関係が母子関係に影を落とす『名前をなくした女神』とこちらも母(井川遥)が育児ノイローゼで家出した『グッドライフ』のフジ系火曜放送の二作。
この週に問題がでてきたのはまずは同じく火曜に始まったNHK『下流の宴』、長男(窪田正孝)が小学生のころは母(黒木瞳)の期待に応えて中高一貫校に入ったけどその後やる気をなくしてしまったという『名前をなくした女神』のその後的設定です。
『リバウンド』では親友の瞳(栗山千明)が母(朝加真由美)から愛されておらず誕生日も忘れられる関係。
『ハガネの女』は二人の児童の家庭問題で、一人は両親が離婚することに、一人は出て行った母親に預金通帳をだまし取られます。
子役の活躍が目立つ春ドラマですが、そこで描かれるのはつらい現実です。それを少しでもやわらげるためにかわいい子役が求められるのでしょうか?