カフェ/東京・有楽町・銀座のカフェ

ハネヤカフェ…築地(3ページ目)

産地直送のハネ野菜=形がいびつなため規格外ではねられてしまう野菜が、おいしいスイーツやカレーに変身します。これまで「夜カフェ」を手がけて人気を集めてきたオーナーがスタートさせたのは、とびきりの「朝カフェ」、しかも築地市場に隣接する商店街でした。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

内装は廃材を利用、あるものを大切に活かして

2階のイートイン席にも商店街の活気が伝わってきます。

2階のイートイン席にも商店街の活気が伝わってきます。

有名カフェスクールの講師、カフェプランナーとして活躍の幅を広げている五味さん。ハネヤカフェ開店のきっかけは、このビルのオーナーからコンサルテーションを依頼されたことでした。
話し合いをするうちに、一年間という期間限定で自らカフェを開くことに。その理由はなんでしょうか?

「これまで、フジロックのようなイベントへの出店のお誘いをいただく機会が何度もあったのですが、私たちのようなカフェが提供するものは『ゆったりできる空間』以外になにがあるだろう? イベントでホットドックを売るのは違うはずだと考えてきました。今回はインテリア抜きでも成立するような商品開発をしようと思ったんです」

そして「ものを大切にする」をテーマに、食材にはハネ野菜を、内装には廃材を選んで、捨てられてしまうものたちを魅力的に再生するカフェが誕生しました。

築地で生まれていくつながり

看板犬のくるみ(6ヶ月)とオーナーの五味さん。「祖父母が市場を主催するする八百屋、父は農家をしていたので、子どものころにこんな風景は見たことがありました」

看板犬のくるみ(6ヶ月)とオーナーの五味さん。「祖父母が市場を主催する八百屋や農家をしていたので、子どものころにこんな風景は見たことがありました」

築地で働く人々は、人間どうしの距離感の近さが五味さんの生まれた関西の人々に似ているといいます。

「最初から距離が近いんですね。ハネヤカフェの開店の日も、私はとくに告知などはせず、お花も必要ないと考えていたのですが、まわりの商店街の人たちが『だめだよ、こういうときはお花がなくちゃ』と言って用意してくださったんですよ」
廃材と中古家具を活用した店内では、長靴をはいた魚屋さんが昼食を楽しむかと思えば、若い女性がスイーツで休憩したり…「カオス」なのだそうです。

廃材と中古家具を活用した店内では、長靴をはいた魚屋さんが昼食を楽しむかと思えば、若い女性がスイーツで休憩したり…「カオス」なのだそうです。

不慣れな環境での意義あるチャレンジに対し、農家の人々からの反応は良好で、農家のほうからカフェでの朝市などの提案も舞い込んでいるようです。

カフェにとっても農業に従事する人々にとっても、また築地の商店街にとってもちょっと新鮮な展開。期間終了の来年5月にはどんな芽が成長しているか、楽しみに見守りたいのです。

ハネヤカフェ築地のメニューとショップデータはこちら
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