カフェ/東京・有楽町・銀座のカフェ

ハネヤカフェ…築地(2ページ目)

産地直送のハネ野菜=形がいびつなため規格外ではねられてしまう野菜が、おいしいスイーツやカレーに変身します。これまで「夜カフェ」を手がけて人気を集めてきたオーナーがスタートさせたのは、とびきりの「朝カフェ」、しかも築地市場に隣接する商店街でした。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

素材を活かし、添加物を使わない「やさいスイーツ」 

上:カボチャのタルトと、ほうれんそうのロールケーキ

上:カボチャのタルトと、ほうれんそうのロールケーキ上:カボチャのタルトと、ほうれんそうのロールケーキ
下:規格外のメークイン(左)がおいしいキッシュ(右・450円)の材料に。

スイーツもカレーも産地直送の新鮮な素材の力を大切にして添加物を使わず、パティシェや料理担当スタッフがその日一番おいしい方法でつくります。テイクアウトも可能です。

この日ショーケースに並んでいたのは、ふんわり焼かれたキッシュの数々や、タルト、ロールケーキなどの「やさいスイーツ」。

ロールケーキはほうれんそうを練りこんだスポンジ生地で、トマトとイチゴの細かな粒入りホイップクリームを巻き込んでいます。野菜嫌いの人にも文句なく喜ばれそうなしっとりふわふわのロールケーキです。

お向かいの魚屋さんが出汁を提供、「築地カレー」 

魚介の旨みがベースの「野菜とシーフードの築地カレー」(ランチタイムはサラダ、ドリンク付き1000円)

魚介の旨みがベースの「野菜とシーフードの築地カレー」(ランチタイムはサラダ、ドリンク付き1000円)

それにしても、カフェという存在は古くから続いてきた築地市場界隈でどう受け止められているのでしょうか。

「近隣の商店街の方々には本当に親切にしていただいてます」と五味さん。
「お向かいの魚屋さんがタラバガニを茹でるときにいい出汁がでるので、いただいているんですよ」

この出汁は、ハネヤカフェが新鮮な魚のアラで作っている出汁とあわせて、野菜とシーフードのカレーの旨みのもとになっています。贅沢な魚介ベースの“築地魚河岸カレー”、ぜひランチにどうぞ。

この商店街の人通りが少なくなってくるのが平日の正午過ぎ。もし銀座界隈でランチに困ったら、ハネヤカフェまで足を伸ばすのもいいかもしれませんね。銀座四丁目交差点の三越の前から歩いて10分と少し、といったところです。

築地でキッシュは未知の世界?

左:2階の壁の絵はイラストレーター、タカギセイジさんが制作

左:2階の壁の絵はイラストレーター、タカギセイジさんが制作
右:「やさいのお魚クッキー」の材料は紫芋やほうれんそう(300円)

ハネヤカフェのお客さまは、築地市場や近隣の商店街で働く人々と、築地でお買い物を楽しむ人々が中心。シニアが多いので、ハネヤカフェの得意料理のひとつであるキッシュにもなじみが薄いよう。

私は4、5種類並んでいたキッシュの中から、小さめという理由で規格外となった北海道のメークインを主役にベーコン、粒マスタードを加えた一品を選びました。このおいしさが一年のあいだに築地で受け入れられていくかどうか、ちょっと楽しみでもあるのです。

今回の挑戦にはどんな意図がこめられているのでしょうか? 次ページで五味美貴子さんにうかがった話をお届けします。
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