安全日の性行為で妊娠も……大切なのは「確実な避妊法」
避妊法について勘違いをしている若い方が多いようです。正しい知識を持ちましょう
避妊は妊娠を目的としないセックスには不可欠。たとえ結婚していても、妊娠を望む時以外は避妊する必要があります。
避妊法にはいくつかの種類がありますが、間違った認識は大変危険です。将来のためにも、女性の体を守るためにも、それぞれの避妊方法のメリットとデメリットを正しく知っておきましょう。
避妊方法の種類とそれぞれの費用・失敗率
避妊方法はいくつかあり、避妊の確実性や費用などが異なります。それぞれのメリット、デメリットについて解説します。■避妊手術の費用・副作用
- 避妊失敗率……約0.1~0.5%
- 費用……約30万円前後
■子宮内避妊具<IUD・IUS>の費用・副作用
- 避妊失敗率……約0.1~1%
- 費用……1回の挿入が銅付加タイプは2~3万円・ホルモン付加タイプは4~5万円
■低用量ピルの費用・副作用
高い避妊効果以外にも様々な副効用が期待できるピル
- 避妊失敗率……約0.1~0.8%
- 費用……1シート(1カ月分)が2000~3000円
タバコを吸わない健康な女性であれば、10代から40代まで幅広く使え、避妊効果以外にも月経不順・月経痛・PMS・過多月経などの改善が期待できます。デメリットとしては、毎日忘れないように飲まなければいけないという手間があり、飲み初めに吐き気や不正出血などの副作用が出ることがあります。
服用により卵巣がんや子宮体がんや不妊のリスクを下げることができるため、特に若い方にお勧めの避妊法です。重篤な副作用に「血栓症(血管の中に血の塊ができて大事な血管に詰まってしまうこと)」があります。頻度は非常に低く、元々のリスクがなければピル非服用者の2~3倍程度ですので、血栓症のリスクがなければそれ程心配する必要はありません。血栓症のリスクがあるのは、喫煙者・肥満の方・40歳以上の方・高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある方・片頭痛がある方などです。これらに当てはまる場合は、ピルの服用が可能かどうか医師と相談が必要です。
■男性用コンドーム
- 避妊失敗率……約3~15%
- 費用……商品により異なるが安価
「避妊したのに妊娠?」膣外射精・安全日(オギノ式)などの誤った避妊法
また、本来避妊法ではないのに、避妊法と勘違いして選択されているものもあります。これらの方法で避妊することはできず、妊娠する可能性は全く否定できません。■膣外射精
射精の直前にセックスを中断し、膣内に射精しないという方法。しかし男性性器からは射精前から精子が少しずつ漏れ出しているので、全く意味がありません。避妊の観点からも、性感染症予防の観点からも非常に危険な方法です。
■安全日(オギノ式)
月経周期の排卵日近くを避けてセックスをする方法です。「生理前は安全日」などと考えてしまう人もいるようですが、人間は機械のように毎月ピッタリ同じタイミングで排卵するわけではありません。機械的な排卵なら、妊娠しない時期を特定できるでしょうが、実際の排卵日は数日ずれることも多く、いわゆる「安全日」は存在しません。オギノ式は、もともと妊娠を希望している方が月経周期のどの時期が「妊娠しやすいか」を判断して妊娠の確率をより上げるために使う方法なので、逆に考えたからといって避妊法として使えるものではありません。
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