片付けのできる子に育てる
片付けは、ただ単に部屋がきれいになるというだけではなく、人間が生きていく上での大切な力を育みます。
ですから、片付けのできる子どもに育てたいものですが、片付けが好きな子どもなんて、いないと言ってもいいと思います。そんな子どもに対して、親はどのように導いて行けばいいのかをお話ししたいと思います。
片付けられる子に育てるコツ
片付いた部屋で過ごすのは心地よいこと
■片付けないことで、困ることは何かを具体的に伝える
「片付けないとだめでしょ」と言うのではなく、たとえば、「爪切りを使ったら、元あったところに片付けておいてね。でないと、お母さん使うとき探すのよ。困るから、ちゃんと片付けてね。」「洗濯してたたんであげた物を床に置きっぱなしにしておくと、埃も被るし、崩れてしわになっちゃうよ。せっかくの洗濯が無駄になっちゃう。お母さん悲しいわ。」といった具合です。
■片付けができた時は、子どもをほめる
子どもが、ちゃんと片付けられた時は、嬉しい気持ちを伝え、頑張れたことを誉めましょう。「床に何にも散らかってないので、掃除機をかけるのが楽だったわ。頑張って片付けたんだね。偉いなー。」と、声をかけるのを忘れてはいけません。
■簡単に片付けられるように、それぞれものに最適の場所を決める
たとえば、毎日使うバッグは、クローゼットを開けて入れるとか、高い場所の棚に片付けるのでは、面倒で、ついつい、億劫になってしまいます。ですから、ポールのフックなど、ワンアクションで片付けられるような場所を考えましょう。
■収納場所の7~8割程度に抑えられるように、量を加減するのを手伝う
収納場所に10割も入れてしまうと、開け閉めも大変ですし、どこに何が入っているのかを、把握するのも大変です。ですから、新しく買い、ものが増えると、増えた分、古いものを処分するように心がけましょう。幼い子どもは判断が難しいので、一緒に考えてあげましょう。
■使っているものを片付けてから、次のものを出すように促す
あれこれ出してしまうと、片付けるのも大変です。その都度、片付けるようにすると、短時間で片付けることができます。
■片付けるための時間を設ける
たとえば、4時から外で遊ぶと言っていた場合、4時まで遊んでいたのでは、片付ける時間がありません。いい加減な片付けになってしまいます。ですから、この場合、3時50分になったら、「遊ぶのは終わりだよ~」と声をかけ、遊びを終わらせ、片付ける時間を設けます。常に、早めに切り上げさせるよう心がけることがとても大切です。
■リビングが散らからないようにする
リビングなどの共有スペースには、必要なもの、つまり、今使うものだけを持って来させるようにし、使い終わったら、次のものを出す前に片付けるよう促します。また、幼い子供の場合は、リビングにも、子ども用の収納BOXを用意しておき、その場ですぐに片づけられるようにしておくのもいいでしょう。
■「片付けないのなら、捨ててしまうよ」という言葉は、慎重に
この言葉は、慎重に使わなければなりません。もし、親も、捨てることができないのなら、言ってはいけません。捨てられないことを見透かされてしまうので、効果はありません。
片付けられないのなら使用禁止ということで、親がしばらく預かることは効果的かもしれません。そして、きちんと、片付けることができるようになってきたら、預かっていたものを出してあげるという方法です。
■最初は親も手伝う
子どもに任せてしまうのではなく、最初は、親子で一緒に考えながら片付けましょう。仲間分けにする方法など、片付けるノウハウを教えます。
実は、私も、片付けが苦手ですので、うまく片付けることが簡単でないこと、また、子どもにしつけることがいかに難しいことかよくわかっていますが、作業がしにくい、探し物をする時間が無駄であるなど、うまく片付けられないことのマイナス点も十分理解しています。
だからこそ、みなさんには、多くのことを学べ、貴重なことが得られる「片付けができる」子どもに導いてほしいと思います。