株価の天井を見極めるのは、実力のある投資家でも難しい
そろそろこの辺りで、株価が天井打ちするだろう……と思い、自分が持っている株を売ったら、その後に株価が上昇してしまった…このような経験は、投資家ならば一度は体験していることでしょう。株価の天井を見極めるのは、実力のある投資家にとっても難しいものです。それもあり、勘や雰囲気で株価の天井を見極めようとしても、失敗することが多いのではないでしょうか。そこで今回は、株価の天井を見極める方法についてお話しします。
株価の天井を見極める方法とは?
株価の天井を見極める方法を知るには、チャートを確認するのがおすすめです。具体的には、実際に株価が天井をつけた銘柄をいくつか見つけ出し、それらの銘柄で共通の特徴を探す方法がいいでしょう。今回は一例として、あさひ<3333>のチャート(※2017年5月17日時点)を使って説明したいと思います。同社は自転車の小売を行っている企業です。4月3日に本決算を発表しており、増益となる見通しを発表したことから、直後に大きく株価が上昇しました。決算直後に注目を集めてから株価は出来高を伴って上昇し、2~3営業日で、株価は10%以上も上昇しました。しかし、株価が天井を打ってからは株価が下落しはじめ、以降は横ばいの動きを続けています。
出来高が天井を打ったかどうかを確認しよう
株価が天井を打ったかどうか、このチャートから確認するにはまず「出来高」に注目するのがおすすめです。株価が上昇するにしたがい出来高が急増し、株価がピークをつけた4月10以降は株価の下落とともに出来高も減少していることが分かるかと思います。上記のあさひ<3333>はあくまで一例ですが、このようなチャート形状は他の銘柄でも確認できます。よって、株価の天井を見極めるには、出来高が天井を打ったかどうかを確認するのが有効だと考えられます。似たような値動きの銘柄が見られた際は、株価上昇とともに出来高が増加している間は売らないで我慢し、株価が少し下がり始め、出来高も減少し始めたあたりで売却することで、天井付近で株を売り抜けられると期待できるでしょう。
なお、ここで1つ注意点があります。それは、「常に天井(=最高値)で株を売り抜ける」ことは不可能だということです。出来高やチャートを使うことで、天井圏、底値圏を見極めることができるでしょう。しかし、最高値や最安値を予知・予見することは誰にもできません。
よって、無理に天井や底を見極めようとすると、せっかくの売り時を逃すことにもつながるでしょう。「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言があるように、たとえ最高値を見極められなくとも、心にゆとりを持ち、最善を尽くすことこそ、上達への早道だと思います。