内装建材/室内ドア・階段の基礎知識・新商品

階段・廊下・玄関、手すりプランの考え方と注意点

安全で使いやすい住まいとするために必要な手すり。ここでは、階段や廊下、玄関に取り付ける手すりの考え方と注意点をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

暮らしやすさと安全のために設ける手すり

木製ならではのぬくもりを楽しめる手すり。[手すりユニットG] undefinedLIXIL http://www.lixil.co.jp/

木製ならではのぬくもりを楽しめる手すり。[手すりユニットG]  LIXIL

階段や廊下、玄関などに設けられる手すりは、家族が日々暮らしやすく、安全な住まいに必要な部材のひとつ。ご家族に高齢の方がいらっしゃれば、充分に検討するかもしれませんが、家族構成によっては、あまり意識もせず設計者からの提案通り、というケースも多いでしょう。

手すりのプランニングには専門的な知識も必要ですが、新築やリフォームの際には、家族の動きに合わせ、また、将来的な暮らしをイメージして、必要な場所に使い勝手のいい手すりの設置を考慮しておきたいものです。

室内での移動や上り下りを補助し安定を保つ

階段や廊下、玄関などに設けられる手すりには、移動や上り下りを補助する目的を持つものと、立ち上がりの動作を補助したり、身体の安定を保つためのものなどがあります。

それぞれ、設置する際の注意点は、移動を補助するためであれば、必要な場所まで連続して設置すること、移動しながらでも握りやすい形状のものを選ぶこと。立ち上がりを補助するためには、しっかりと掴むことができる場所への設置や形状に配慮することが大切でしょう。

丸い形状や平手すりも。天然木や樹脂などの素材も

一般的に、手すりの太さは32~35センチ程度。建材メーカーの商品には、丸い棒状だけでなく、楕円や手を乗せたり肘で身体を支えることができるような平手すりもありますし、直線のものだけでなくL字型や緩やかな曲線のS字型なども。表面を凸凹させ握りやすさを高めたタイプもみられます。

素材は、天然木(集成材)、アルミ+樹脂シートなど。汚れがつきにくく掃除がラクなタイプ、手元や足元を照らすLED照明を組み込み夜間でも使いやすいように工夫した商品も提案されています。

玄関まわり  水平と垂直を組み合わせても

床から天井まで設置することも。すっきりとしたデザインで、子供から大人まで使いやすいプラン。[システム手すり 連続手すり I型天井プラン]undefined パナソニック エコソリューションズ undefinedhttp://sumai.panasonic.jp/床から天井まで設置することも。子供から大人まで使いやすいプラン。[システム手すり 連続手すり I型天井プラン]  パナソニック エコソリューションズ

限られたスペースの玄関ですが、三和土(たたき)から上がり框への昇降動作や靴の脱ぎ履きの際、姿勢を安定させるために手すりを設けておきたいものです。

靴の脱ぎ履きをする場所や段差を考慮して、上からも下からも使いやすい位置に、しっかり掴むことのできる手すりを設置するといいでしょう。また、姿勢の保持のための手すりも必要に。水平と垂直を組み合わせたタイプを設置してもいいでしょう。

玄関まわりに手すりがないと、知らず知らずのうちに壁に手を付いていることが多いもの。手すりを設けることで、壁の汚れを防ぐこともできるでしょう。

 

廊下  使用する人の使い勝手に合わせて

手すりの天面が平らな形状なので、手を滑らせながら歩くことが可能。 [システム手すり 水平設置用連続手すり らくレール]undefinedパナソニック エコソリューションズ undefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

手すりの天面が平らな形状なので、手を滑らせながら歩くことが可能。 [システム手すり 水平設置用連続手すり らくレール] パナソニック エコソリューションズ

一般的に、廊下などに手すりを設置する高さは、75~80センチ程度(高齢の方や女性の場合は少し低め)。腰の高さが適していると言われていますが、あくまでも使用する人の使い勝手に合わせてプランニングすること。どの程度手すりを必要としているのか、身体の機能にあわせて検討することも大切です。

歩行を支援するための廊下の手すりの場合は、太めのサイズで、手を滑らせながら歩行できるようなタイプを。使用する方によっては、丸い棒状の手すりだけでなく、手を乗せることができる平手すりも向いています。端の部分で袖口が引っかかるのを防ぐために、壁側や下部に折り曲げたタイプを選んでおくのもいいでしょう。着脱タイプのブラケットなどを用いれば、使用方法に合わせて手すりを取り外すことも可能です。

また、手すりを設けることで、廊下の幅が狭くなってしまうケースもあるので、車いすなどを利用する可能性なども配慮して、適するスペースを確保しておきたいものです。

階段  建築基準法により設置が定められている

すっきりとした縦のラインが印象的な縦桟タイプ。undefined[オープン用金属手すり] undefinedLIXIL http://www.lixil.co.jp/

すっきりとした縦のラインが印象的な縦桟タイプ。 [オープン用金属手すり]  LIXIL

階段は、手すりの設置が建築基準法により定められているので、間取りを検討する際には、設置位置やどのような手摺のタイプとなっているか、説明を受け確認することが大切です。

一般的には、床面(段鼻)から75~80センチ程度の高さを目安に、連続させて設けること。また、上下の端部分は、20センチ程度水平に伸ばしておくと、降りる際などに前のめりにならずにすむでしょう。

その他、2階リビングプランなどでは、上階に家具や冷蔵庫などの大きめの家電を搬入する場合に、手すりが邪魔になるケースもあるので注意が必要です。

下地補強が必要。新築では早めに位置や高さの決定を

手すりを設置する場合は、壁下地の補強が必要なので、新築の場合は、間取りプランの段階から設置する位置や高さを決めることが大切です。リフォームなどで下地がない場合でも、壁の一部をつくり直したり、木材を壁面に設置し金物を取り付けるなどで、設置することは可能。最近では、設置工事が比較的簡単であったり、下地補強をせずに設置可能な基材などを揃えたリフォーム向けの商品も提案されています。

新築の際には、現在の暮らしでは必要なくても、将来的に手すりを設置する可能性がある場所には、前もって下地を入れておくなどの配慮をしておくのもいいでしょう。


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