生命保険/必要保障額の目安・計算方法

保険金10億円の生命保険に加入はできるのか?(2ページ目)

何かと不安な時代、もしものための備えとして生命保険は頼りになる存在ですが、安心の為にたくさん加入したいと考えた時、死亡保険金額はいくらまで加入できるのでしょうか?

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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被保険者の年収による制限

保険加入にはいろいろな制約がある

保険加入にはいろいろな制約がある

保険会社では、被保険者の年収も加入可否の判断基準のひとつとしています。例えば、死亡保険では「被保険者の年収の15倍まで(年齢によって倍数を変えている場合もあり)」、医療保険では「入院給付金日額は被保険者の年収の1/360まで」のような基準があります。年収360万円の人だと加入が可能な死亡保険金額は5400万円まで、加入が可能な医療保険は入院給付金日額1万円までということになります。

これは、医療保険においては、被保険者が健康な状態でいる時よりも入院して給付金を受取っている時の方が金銭的に豊かになってしまうと、意図的に理由をつくって入院しようと考える人がでてくる可能性があるからです。死亡保険においても同様の考えからです。

契約者の年収による制限

保険会社によっては契約者の年収による制限を設けている場合もあります。例えば、年収600万円以上の人では支払う保険料が年収の20%以下、240万から600万円が15%以下、120万から240万円が10%以下のような制限です。この割合を越えるような保険契約だと、加入を継続していく(保険料を支払っていく)ことが困難という保険会社の判断からです。

ちなみに、40歳男性(被保険者)が死亡保険金額10億円の死亡保険に加入できたとすると、保険期間10年の定期保険では年間保険料が280万円程度となります。保障が一生涯の終身保険では年間保険料は3600万円程度(保険料払込み期間60歳まで)にもなります。契約者がこの保険料を払い続けていくとなると、年収500万円程度では誰が判断しても無理だという答えになるでしょう。

仕事や趣味の内容による制限

各保険会社では、被保険者の仕事内容や趣味によって、加入できる死亡保険金額や入院給付金日額に制限を設けています。死亡したり入院したりする可能性の高い被保険者の保険を引き受けると、その人へ保険金や給付金を支払う可能性も高くなり、他の人との公平性が保てなくなるからです。制限を受けるのは危険を伴う仕事や趣味が主で、他に無職(資産生活者や年金生活者は別扱い)なども該当します。詳しくは直接保険会社へ確認して下さい。

保険商品ごとの制限

どの保険商品にも保険会社が引き受ける上限が設定されています。例えば、死亡保障の保険だと、多くの場合3億円程度となっています。さらに、保険金額が1億円超のような高額になる場合は、申込み前に事前申請が必要になったり、契約成立の前後に契約確認(保険会社から委託された会社の担当者が契約者または被保険者に面接または電話をして、加入の意思や保険内容の確認などを行う)が必要になったりします。

この上限額は、その保険会社が引き受ける上限額と同額である場合も多く、保険金額10億円となると、一つの保険商品や一つの保険会社の枠を超えてしまうことになります。

ちなみに、年金保険には死亡保険や医療保険とは別に上限額を設けていて、受取る年金年額が3000万円までなら加入可能な保険会社が多いです。もし40歳男性が60歳から10年間3000万円づつ受取ろうとすると、60歳まで保険料を毎年1300万円くらい支払っていく必要があります。もし60歳から終身で年3000万円づつ受取ろうとすると保険料は年3000万円にもなります。誰でも3000万円の年金には憧れるでしょうが、ほとんどの人にとっては保険料が年収以上でしょうから無理な話ですね。


結局10億の保険には加入できないの?

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