ポルシェ/ポルシェ

ポルシェの名に相応しい4ドアサルーン、パナメーラ

ポルシェの最新作に当たる4ドアスポーツサルーン。こんなカタチでしかもエンジンが前にあっても、ポルシェらしい、フラットでかつレスポンスのいい頑丈な殻に包まれているかのようなライドフィール……。どのグレードも、実際のパフォーマンスはポルシェの名にふさわしいものだ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

このカタチでも“風味”たっぷりの乗り心地

ポルシェパナメーラ

2009年の上海ショーでデビューしたポルシェ初の4ドア4シーターモデル。国内では6モデルを用意、さらにフラッグシップモデルとなるターボS(価格未定 写真)も登場した。こちらは最高出力550ps/最大トルク750Nmの4.8リッターツインターボを搭載する

ポルシェパナメーラ

サイズは全長4970×全幅1930×全高1420mm(4S)。価格は929万~2061万円

ポルシェにとって、最新作に当たるのが、この4ドアスポーツサルーンだ。

SUVのカイエンで悲願の4ドアポルシェを成功させたのち、たとえばクロスオーバータイプよりもセダンタイプに人気の集る新興市場のニーズなども鑑みて、ポルシェのスーパー4ドアを新たに作ることは、十分に勝算の見込めるビジネスだったに違いない。

ポルシェパナメーラ

ポルシェ伝統の5連丸型メータパネルを採用。ラゲッジ容量は通常で432リッター、6:4分割可倒式の後席を倒せすと最大1250リッターまで広がる

その結果を判断するには、もう少し時間が必要だが、出足は上々というべきだろう。何しろこのクルマ、こんなカタチをしていて、しかもエンジンが前にあって、なお、ポルシェらしい、フラットでかつレスポンスのいい、頑丈な殻に包まれているかのようなライドフィールを持っているのだから……。乗ってみれば、911シリーズを源とするポルシェ風味がたっぷり、というのはカイエンでも感知できる重要なポイントだ。

もちろん、成り立ちのよく似た911とケイマンほど味濃くポルシェ風味が残されたわけじゃない。
ポルシェパナメーラ

Sハイブリッドは最高出力333psの3リッターV6スーパーチャージャーエンジンに47psのモーターを組み合わせたパラレル式ハイブリッドモデル。このシステムはカイエンSハイブリッドと同じもの


その度合いは確かに薄いけれども、たとえば同じようなサイズの4ドアサルーンと乗り比べてみれば、やはり他と何とも似ていないポルシェテイストが滲み出ていて、感心する。V6からターボまで、どのエンジングレードに乗っても、実際のパフォーマンスはポルシェの名にふさわしいものだ。なにしろ全長5mのサルーンが、サーキットに持ち込めば、とてつもなくファンで速いパフォーマンスをみせるのだから。

ポルシェの血が成せるワザ。とはいえ、ポルシェが好きで4ドアが欲しい、という方にプッシュするクルマではない。いずれの世代でもいい。911シリーズがあって、その横に並べて落ち着くクルマである。もしくは、911経験のあるベテランが、ボクスタースパイダーあたりと並べて持つサルーンだと思う。
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