1.主力が上の世代に
ヒロインが二十代までの三人娘を考えてきましたが、世代をアラフォーまで広げると、もっとあります。小泉今日子・飯島直子・黒木瞳の『恋を何年休んでますか』(01,TBS)、永作博美・寺島しのぶ・高島礼子の『四つの嘘』(08,テレビ朝日)、桜井幸子・清水美砂・国生さゆりの『コンカツ・リカツ』(09,NHK)のように。以前はテレビドラマをよく見るのはマーケティング用語でいうF1層、20~34才の女性だといわれていました。最近はそれが上がってアラフォー主体に。視聴者層が年令を重ねるのにあわせてヒロインたちの世代も変わったのではないでしょうか。
2.ヒロイン+親友+ライバルパターンに
ほとんど若い女性が主人公である朝ドラの友人関係を見ると、近年は二人の親友より、昔からの親友一人+ライバルのちに親友一人というパターンが目立ちます。代表が『ちりとてちん』。B子(貫地谷しほり)と昔からの親友(宮嶋麻衣)、そしてB子のコンプレックスの原因であるA子(佐藤めぐみ)。他にも村川絵梨・木南晴夏・水川あさみの『風のハルカ』、倉科カナ・田中こなつ・岩佐真悠子の『ウェルかめ』などです。
最初から仲がいいより、対立のち和解したほうがドラマ性は盛り上がるということはあります。
3.男性脚本家のファンタジー
田中好子さんが亡くなったときに「キャンディーズは女性三人組のアイドルユニットが成功した稀な例」といわれていました。女性三人は二対一にわかれてしまい続かないと。そうするとドラマで描かれるような女性三人組も実はそんなにリアルじゃない?『想い出づくり。』の山田太一、『彼女たちの時代』『おひさま』の岡田恵和とどちらも男性脚本家の作品です。三人娘パターンは男性がイメージするファンタジーであり、リアルな設定ではないのかもしれません。
三人娘
個人的に好きな三人娘ものは南野陽子・相楽晴子・吉沢秋絵の『スケバン刑事2』、これはもろにファンタジーです。そういえばヒロインに不良キャラ、お嬢様キャラという構成は『おひさま』と同じですね。
その『おひさま』は太平洋戦争に突入。苦難の時期になるため、過去の朝ドラはこの時代を描くのに苦労しています。知る限りでいままでで一番明るく乗り切ったのはベースがかなりコミカルだった『マー姉ちゃん』。
さて、『おひさま』はどうなるでしょうか?