見ていると同じ岡田恵和脚本の『彼女たちの時代』(99,フジ)を思い出します。『彼女たちの時代』は三人の女性(深津絵里、水野美紀、中山忍)が仕事に恋愛に悩みながら生きていく姿を描いドラマです。
『おひさま』の第6週、真知子は「安曇野の帝王」と呼ばれる資産家の父親(平泉成)の命で卒業後は許嫁と結婚することになっていましたが、陽子の兄・春樹(田中圭)を慕う真知子はそれを拒否。家出して陽子と二人で便所に立てこもりました、結局引きずりだされましたけど。
『彼女たちの時代』を飛び越えて『想い出づくり。』(81,TBS)なってきました、この展開は。
結婚式前に立てこもるといえば
想い出づくり
最大の山場は結婚式前の立てこもり。佐伯のぶ代(森)はお見合いでレストランやガソリンスタンドを経営している中野二郎(加藤健一)と結婚することになるが、違和感がつのった挙句、久美子(古手川)・香織(田中)とともに結婚式場の控え室に立てこもってしまいます。
『彼女たちの時代』でも『想い出づくり。』をリスペクトして立てこもりシーンがでてきました。実際に立てこもったわけじゃないけど最後にイメージとして挿入されたのです。結婚式で花嫁を略奪といえばダスティン・ホフマンの『卒業』で結婚式前に花嫁が立てこもるといえば『想い出づくり。』といえる定番パターンです。
テレビドラマ史上最大の対決
ちなみに『想い出づくり。』が始まったのは1981年9月18日(金)の22時。三週間後の10月9日(金)、裏のフジ系22時で『北の国から』がはじまり、山田太一・倉本聰、テレビドラマ脚本家の二大巨匠が直接対決しています。視聴率的には勝ったのは『想い出づくり。』で、『北の国から』の視聴率が浮上したのは全14回の『想い出づくり。』が終了した年明けしてからの後半から(連ドラ版『北の国から』は全24回)。
当時は家庭用VTRが普及途上だったため、多くのドラマファンはどちらを見るかを悩んだのでした。ガイドも『想い出づくり。』最終回の後、『北の国から』を見始めました。
そういえばこのパターンはひさしぶり
その後も三人娘ものドラマは多くつくられました。古手川祐子・原田美枝子・宮崎美子の『女ともだち』(86,TBS)、中山美穂・仙道敦子・河合美智子の『卒業』(90,TBS)、奥山佳恵・深津絵里・常盤貴子の『悪魔のKISS』(93,フジ)などなど。ところが『おひさま』女学生編の三人娘はひさしぶりなような。振り返ってみると、一番最近では浅見れいな・中村ゆり・野波麻帆の『セレぶり3』(09,テレビ東京)、その前はアイドル路線になりますがAKB48のユニット・ノースリーブス、小嶋陽菜・高橋みなみ・峯岸みなみの『メン☆ドル~イケメンアイドル~』(08,テレビ東京)。ともにテレビ東京系深夜とマイナー。ないことはないけど主流ではなくなっています。
なぜこのパターンが少なくなったのか?仮説として三つ原因を考えてみました。