裁判員制度の対象は「刑事裁判」

裁判員制度の対象は刑事事件だけ。

裁判員制度の対象は刑事事件だけ

裁判員制度が導入されるのは、刑事裁判だけ。しかも、一定の重大事件に限られます。でも、「そもそも刑事裁判と民事裁判って何?」「同じ裁判なのに、どう違うの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。今回は、刑事裁判がどんな裁判で、民事裁判がどんな裁判なのかを解説したいと思います。

刑事裁判とは?

刑事裁判とは、犯罪をした疑いのある人について、その人が本当に犯罪を行ったのか、だとすればどのくらいの罪を負わせるべきかを決めるものです。犯罪の疑いがなければ無罪になります。

犯罪が捜査機関に知られると、まず警察に逮捕されます(逮捕されないケースもあります)。逮捕されるなどして、犯罪の疑いをかけられた人のことを、一般に「容疑者」と呼びますが、法律用語では「被疑者」といいます。その後、検察官によって刑事裁判にかけられると、一般に「被告」と呼ばれるようになりますが、正しい法律用語は「被告人」です。被告人を裁判にかける役目の人を検事とか検察官といいます。被告人には弁護人がつき、弁護人には資格を有する弁護士が就任します。検察官が被告人を裁判にかけ、被告人を弁護人が弁護して、裁判官が被告人の有罪無罪を、有罪ならばどれくらいの刑かを決定するのです。

これが刑事裁判です。裁判員制度の導入により、一定の重大事件については、裁判員が裁判官と一緒に被告人の有罪無罪、有罪の場合の量刑を決定します。

民事裁判とは?

民事裁判とは、法律にのっとり国家権力を使ってトラブルを解決するもので、誰でも利用することができる制度です。たとえば、「お金を貸したのに返してくれない」「商品を買ったのにいつまでも引き渡してくれない」といったトラブルに巻き込まれたとき、相手方に対して裁判を起こすことができます。裁判を起こした側を原告といい、裁判を起こされた側を被告といいます。

裁判で勝訴すれば、「お金を返せ」とか「商品を引き渡せ」といった命令が裁判所によって相手方になされ、相手がこれに従わない場合には、強制執行といって、国家権力を使って強制的にその命令の内容を実現することもできます。民事裁判は自分で行うこともできますが、通常は弁護士に依頼することが多いといえます。

刑事裁判と民事裁判は別のもの!

このように、刑事裁判と民事裁判とはまったく別のものです。もうおわかりかと思いますが、相手から「お金を返せ」という民事裁判を起こされたからといって、刑事裁判の効果である「刑務所に入れられる」ということは、絶対にありえないのです。

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