株・株式投資

強い日本復活の鍵は個人投資家が握る(3ページ目)

3月11日の震災後、「今後の日本経済はどうなっていくのか?」「為替や株はどうなっていくのか?」と不安な方も多いと思います。このような環境下で、個人個人の金融資産をどう守り運用していけばよいのか、日本は今後どうなっていくのか、考えてみました。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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文化国家へと成長した韓国

韓国が文化国家へと成長した契機の一つが、1998年の金大中大統領による「文化大統領宣言」。ゲーム、アニメ、音楽、キャラクター、映画(ドラマ)の5大コンテンツ大国を目指し、法律や規制緩和策なども整備し、国が主導して韓国文化を世界に宣伝していったのです。ドラマや音楽、映画、オンラインゲームなどで韓国文化を受け入れられる国を増やし、製品やサービスも受け入れられる土壌を耕していったのです。われわれ日本人も「冬ソナ」や「K-POP」の普及で韓国文化をまったく違和感なく受け入れられているのもこのような韓国の国家戦略と密接に絡み合っているのです。まさに国が一丸となって韓国文化を喧伝してきた結果、韓国に対する誤解や偏見が消滅していったのです。

サムソン電子や現代自動車は今や世界企業

サムソン電子は今やHP(ヒューレット・パッカード)を抜いて世界最大のIT企業です。薄型テレビや半導体、液晶、携帯電話など世界でも1位2位を争う分野はとても多く、1997年の危機以来パナソニックやソニーにどんどん追いつき、そして追い抜いていったのです。このような地位を築けたのも危機の時に積極果敢な攻めの姿勢を貫いたからこそ。液晶や半導体の分野での地位はまさにこの時代に築いたものでした。危機があったから弱気になるのではなく、むしろバネにしていこうという気持ちの強さが今の快進撃を作ってきたと言えるでしょう。

個人投資家の支えが企業の発展に不可欠

これら韓国の実例は日本も学ぶべき点を数多く含んでいるように思えます。特に危機をバネにして発展していった姿は、次の日本を創っていくうえでぜひ参考にしたい。弱気心理が横行すると景気は落ち込み悪循環に向かうものです。しかし、逆に危機をバネにして新しい日本を創っていこうという気持ちが強くなればなるほど、それが将来の日本を創っていくことにつながるでしょう。個々人の運用においてもそれは言えます。安全志向の銀行や郵便局の定期や国債などから株などへの投資を増やしていくことが企業の元気につながっていきます。日本を変えていくベンチャー精神はそのような基盤があってこそ生まれてくるのではないでしょうか? サムソンも投資家に支えられここまで成長してきました。Googleやフェイスブックなど数々のベンチャー企業を生んできた米国も好例です。

将来の日本、それは「クリーンエネルギー」 の分野で世界を牽引し、「文化大国」で日本の良さを世界中に理解してもらい、「新幹線」や「リチウムイオン電池」「太陽電池」「CO2削減技術」など日本の技術力で更なる世界の発展をサポートしていくような日本ではないでしょうか? そのためには政治と企業と個人が一体となって進んでいくことが重要です。ただ、我々個人ができることでいうと、1300兆円という莫大な個人資産がこういった「日本」を変えていく分野に使われていけば一気に変わっていくのではないかと思うのです。安全志向ばかりではなく「投資」を行っていくことが震災後の大事な視点ではないでしょうか。
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