建物よりも水回り設備にお金を掛ける
築24年の戸建て住宅にお住まいのBさんご一家(50代)。建物そのものに不満はありませんでしたが、これからの家の補修のことを考えると、あれこれお金がかかるまえに現在の住まいを売却して、新しい家に住み替えした方が良いのではないかと考え始めていました。そこで現在の住まいの売却価格の査定をしてもらっていたのですが、建物がすぐに売れるという保証もなく、家が売れてから新しい家の支払いに充てるという都合いい話も難しいのが現実でした。そんな矢先、Bさんご一家に問題が発生します。お仕事中にBさんの奥さんが怪我をしてしまい、約1か月程度自宅で静養することになったのです。Bさんはこの間仕事を早めに切り上げ、奥さんの代わりに炊事・洗濯などの家事をすることになるのですが、非常にキッチンが使いにくいということに気が付きました。また、今までは家のことを何もしなかった子どもたちもお風呂掃除を担当してくれるようになり、母親の大変さを実感したようです。
奥さんの苦労が分かったからこそ、家族みんながリフォームに賛成してくれたのです。写真はBさんが採用したキッチンと同シリーズのものです。(画像提供:クリナップ株式会社)
キッチン、浴室、洗面化粧台、トイレのグレードアップを含めた入れ替えでリフォーム総額は約380万円。新しい家への住み替え計画はなくなりましたが、今まで以上に家族の絆が強いものになったと目を潤ませながら取材に応じてくれたBさんの奥様が非常に印象的でした。
思い出を残せるリフォームを
とにかくリフォームは今いる場所から引っ越す必要がほとんどないことがメリットとして挙げられますが、今回のBさんの取材ではもう一つのメリットを教えてもらいました。「当初はこの家にあまり執着していませんでした。でも家族がお互いを助け合おうとしたこの思い出の場所を簡単に手放すのは、今では非常に惜しいですね」とBさん。リフォームにはいろいろな思いが残せるという点も魅力の一つのようです。