4月1日からスマートループのデータ活用を変更

被災地での通行支援といえば、カロッツェリア・カーナビは、スマートループ渋滞情報を活用し、被災地周辺の「通れた道路」を確認できるサービスを開始した。

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スマートループによる通行実績のある道路の標示イメージ

「スマートループ渋滞情報とはご存じのように、今、走っているクルマから情報をとって、リアルタイムの交通情報をドライバーに提供しているほか、配信する日の90日前から蓄積した情報から統計的にどれくらいのクルマが走っているだろうということを推定して、渋滞情報を提供していました。ところが、3月11日で交通状況がまるっきりかわってしまいました。ところが、その時点では90日前のデータを活用して渋滞情報を提供していたんですよね。」

ーでは、地震の後、通行できなくなってしまった道にも、渋滞などの交通情報が表示されていたんですね。
「はい。3月12日以降のデータだけを使った交通情報を出すようにしたのは、4月1日からです。それ以前は、地震によって通れなくなった道にも渋滞情報などが表示されてしまっていました。ただし、4月1日以降は、3月12日以降のデータだけを使っていますから、地震の後に、実際にクルマが通った道にしか交通情報を表示しなくなりました。」

スマートループで通行実績のある道路の情報を提供

ーそれで、通行実績のある道を表示しているわけですよね。
「はい。残念ながら、通行できるすべての道を表示しているわけではありませんが、スマートループ渋滞情報の表示対象道路であれば、通行実績のある道かどうかがわかります。スマートループ渋滞情報では、渋滞を赤の破線、混雑をオレンジの破線、順調を水色の破線で表示しますので、1台でもクルマが通った実績があれば、水色の破線が表示されます。それらの表示がある道路が、通れた道路というわけです。」

以前は、通行実績がある道でも、一般車は入れない道もあったようだが、現在はほとんどの道が一般車も通れるようになっている様子。救援物資を運ぶなど、被災地に出かける時に、スマートループ渋滞情報を活用した「通れた道」の情報は、強い味方になりそうだ。

今後の地図データの整備はどうする!?

さて、今後の地図データの整備は、どのように進むのか。
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IPCコンテンツ部企画制作部の樋川祐一部長

インクリメントPコンテンツ部企画制作部の樋川さんいわく「地図データの書き換えは、われわれ一民間企業で、簡単にできるものではありません。日本の地図を作るときは、国土地理院が全国に持っている三角点や水準点といった基準点をもとにしますが、今回の震災では膨大な数の基準点が亡失というんですが、津波流されたりして失われています。また緯度・軽度・高さが正確に測定された三角点は、剣岳の点の記でも有名ですが、これがずれてしまっています。これらが復旧されないと、正確な地図を作ることはできないです。ですから、まずは移動した基準点を復旧させるのが最初。その後、自治体が道路を造ったあとに、われわれが地図を整備するということになります。そのために、いまは国や自治体の動きや予算などをウォッチングしている状況です」とのことだ。

となると、地図の整備が終わるまでにはものすごく時間がかかりそうだが。
「はい。現時点ではスケジュールは立てられませんが、ものすごく時間がかかります。われわれがクルマを走らせて、地図データを整備することもできますが、それには膨大なお金がかかるし効率的ではありません。道路はわれわれが作るものでは無く、国や自治体が作るものですから、それを待って、ということになります。おそらく、数年単位。その数年がどれくらいになるのかは、これからですが、現地ではレスキューがー動く段階が終わって、道路の復旧が始まっています。津波の損壊を受けた橋なども、仮設の橋ががんがん通ってきています。おそらく、インフラ系は、数年で整備できるのではないでしょうか。地図の整備はそれからになります。」

広い範囲に膨大な被害をもたらした、今回の大震災では、被災地の直接的な被害にとどまらず、各所にさまざまな影響が出ている。早期に復旧・復興を成し遂げ、震災以前の普通の生活ができるよう願うばかりである。

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