国内でのRS人気は本社の人が唖然とするほど
2006年に3代目として登場、2010年に大幅なリニューアルを受けた5ドアハッチバック。マイナーチェンジにより、フロントマスクを一新。全長も35mm長くなっている。全長4025mm×全幅1720mm×全高1485mm。価格はATモデルが219.8万円、MTモデルが209.8万円
現行モデルは、ルーテシア(クリオ)となってから3世代目にあたり、大きなマイナーチェンジも既に経験済み。日本仕様は、5ドアに1.6リッターガソリンエンジンを積んだ6MTもしくは4ATモデルのみ、というシンプルなラインナップだ。
ほかの欧州ブランドとは違って、特筆すべき最新技術もエコ性能もない。高い安全性と真面目な走行性能だけが取り柄の、極めてフツウの実用ハッチバックである。
だから、カタチの好き嫌いを除けば、たとえばポロや207に比べてモーレツにプッシュしたいポイントはない。逆にいうと、だからこそ“ひっそり花咲く”系の、人とは違う選択肢になりえる。
そんなルーテシアの名前をひと際大きく鳴り響かせたのが、ルノースポール(RS)モデルの存在だった。国内では、本社の人間が唖然とするほどの人気っぷり。ベースモデルの人気が大したことないのだから、驚くのも無理はない。
ルーテシアRSの魅力は、鍛え抜かれたシャシー性能の高さ、味わいの奥深さにこそある。ちょっとしたスポーツカーを運転し、その歓びを既に知っている人であればあるほど、のめり込んでしまう。そういう、ちょっと麻薬的な味つけである。3ドアハッチバックの外観からは想像もできないほどに、ピリッと辛口のスポーツカー。それがルーテシアRSだ。
ちなみに、この人気モデルも既に生産を終えており、新車で買えるのは現時点で日本に上陸しているわずかな台数のみ、ということである。