こんなカタチでも操っている気分になれる
2009年に2代目へと進化した5ドアトールワゴン。最大180度まで開くことができるダブルバックドアや、先代比で20mm広がった開口部をもつ両側スライディングドアを備える。価格はATモデルが229.8万円、5MTモデルが219.8万円
カングー人気は、ルノーが流行らせた、のではなく、好き者たちによる、言ってみればSNS的なムーブメントであった。それゆえ、フルモデルチェンジし、脱フランス汎ヨーロッパ的テイストとなった現行モデルには、また違ったムーブメントが期待されていると言っていい。
言ってみれば、よりファミリィニーズに応えるカングー。幅の広さはこのクルマの出自が紛れもなく商用車であることを物語っている。EUのカーゴサイズに合わせて拡幅されたからだ。それが功を奏して、家族をゆったり載せることのできる室内スペースの広さに繋がった。もっとも、スリムで独特なスタイリングは失われてしまったけれども(真横からの眺めには“らしい”雰囲気が残る)。
乗り味の奥深さは健在だ。倒れこむようになりながら踏ん張る見事な粘り腰。こんなカタチであるにも関わらず、操っている!という気分になる。そこが、貴重。
2010年に登場したカングー ビポップ。ベーシックなカングーより全長が345mm短く、リアスライドドアをもたない3ドアモデルだ。カングーと同じ1.6リッターエンジンに5MTを組み合わせる。価格は234.8万円
ちなみに、カングーにはビボップなる2ドアモデルもある。選挙カーのように後部を解放できる、一風変わったカングーのスペシャリティだ。
毎日がカフェオレな感覚……。まったく違う社会環境からやってきたファミリィカーには、ちょっとした海外旅行気分があったりする。